『テレビが言っている事は全部本当だ。私は家族も仕事も失ったアル中患者だ。娘は5歳で貧血症と診断され、私は仕事に逃げた。父としても男としても失格だが断じてハイジャクなどしていない。事態の収拾に努めている。必ず皆さんを助けてみせる!』
I lost my family, my job and I'm analcoholic.
My daughter was diagnosed with anemia at5 years old...
... and I spent my days at work
主演:リーアム・ニーソンですが、立ちふさがる者は全てなぎ倒すチートなスーパー父ちゃんではありません。
心に病を抱えた、真面目だがスマートなやり方を知らない不器用オヤジ。そんなダメオヤジに萌える映画です。
「フライト・ゲーム」
(2014年/ジャウマ・コレット=セラ監督)
旅客機の警備を担当する航空保安官ビル・マークス(リーアム・ニーソン)。
ニューヨーク発ロンドン行き。乗客146人のフライト中、ビルの携帯端末に入った脅迫メール。
『指定口座に1億5,000万ドル振り込まないと20分おきに乗客を一人ずつ殺す』
逃げ場のない密室は犯人にとっても危険な舞台。いたずらか、それとも…。
20分後。最初の死体はペアで行動しているビルの同僚保安官。手を下したのはビル。
更に犯人の指定口座はビルの名義になっていることが判明。
二人目の犠牲者は機長。コックピットは密室の中の密室。もはや状況待った無し。なりふり構っちゃいられない。兎に角、手がかりを手繰って犯人を特定しないと…。
ここから先はNON-STOP (原題)。「スクリーム」+「エグゼクティブ・デシジョン」な展開に。
こういう場合のヒロインはアテンダントと相場が決まっておりますが、今回の協力者は偶然乗り合わせたご婦人ジェン(ジュリアン・ムーア)。
この大物起用が作品に風格を(この人が映るだけでB級感が消し飛び大作感が上塗りされます)。
アテンダントも2名おりますが活躍は少な目。因みにこの二人の役名グエンとナンシーは各々「大空港」のジャクリーン・ビセット、「エアポート75」のカレン・ブラックと同じ名前なんだそうです(正直、どうでもいい)。
全ての状況がビルに不利。地上ではビルをテロリスト認定する始末。乗客の脳裏には9.11の悪夢が。疑心暗鬼が充満する機内に活路はあるか。
ビルの出自が(リーアム本人同様)北アイルランドというのも面白い味付けです。
個人的には死んだ機長に代わって操縦桿を握った副操縦士がいい感じ。
ビルを疑いながらも、最後に男を見せる場面では「おっしゃあ、根性見せてみいや!」な力が入りました。
何か「96時間」の“スーパー父ちゃん”に対抗した“アル中父ちゃん”ものとしてシリーズ化されるんじゃないかという気がいたします。