デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

無いモノねだりは承知の上で…。 劇場版 シドニアの騎士

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TV294分を134分へ。
 
134分。中々に豪儀な設定です。まどか★マギカの“それ、再編集じゃなくて単なる整形なんじゃないの前後編”を例外とすればまあ、頑張った尺の確保だと思います。
 
ストレスなく繋がるエピ。轟音響くサウンド設計。もう総集編としては十分及第点なのですが、それだけにささくれのように引っかかるものが。
 
「劇場版 シドニアの騎士2014年/静野孔文監督)
 
どこを切って何を残すか。ストーリー優先キャラ立ち重視か。悶絶しながらの編集作業だったのではないかと思います。


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結果、どうしても出てきてしまう“ここは残して欲しかった!”シーン。
 
私の場合はふたつ。
 
かつて撃墜王と呼ばれた男の愛機として退役後展示されている継衛(つぐもり)岐神(くなと)が感慨(いつか自分がこの継衛を駆って撃墜王の名を継承する)をもって見つめるシーン。


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ここがないと、継衛が(経験ゼロの)谷風専用機として実戦投入された時の驚きと岐神の悔しさが伝わってきません。
 
もうひとつは、TV版最終話で谷風が岐神に会いに行くシーン。
 
「正直に言ってしまうけど、俺はお前を許せないという気持ちはまだある。だけど岐神、お前も俺が大好きなシドニアの人間のひとりなんだ。それに…岐神、お前は良い操縦士だ。また一緒にシドニアを守るために戦おう!」という谷風の言葉に己の矮小さを実感して涙する岐神で〆れば(岐神に始まり岐神に終われば)美しくまとまったのではないかと思います。


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小林艦長、ヒ山の過去(=斉藤ヒロキと谷風の関係)については諦めます(ここに手を出すのは多分物理的に不可能)。
 
もうひとつ、無いモノねだりをさせて頂ければ、名曲シドニアはどこかで流して欲しかった…。
 
TV版のOPが劇場版で使われることはあまりないので不作法は承知の上ですが、やはりあの“♪ 打ち砕け~!”は聴きたかった。予告ではあんなに景気よく流していたのに。
 
重力館の温泉シーン追加(融合個体までのルート変更)はご愛嬌。


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もういっその事あと10分延ばして、21話の落合復活までやって「ツヅク」にしちゃえば、“うおお、続きが観たいよう! 生殺しENDになって良かったかも。
 
やはりTV版もマストバイか…。



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