“珠玉”という言葉があつらえたように当てはまる直球の恋愛もの『たまこラブストーリー』。
単独で観ても十分楽しめますが、事前に舞台と登場人物を押さえておいた方がより一層味わい深くなります。
たまことモチマッヅィ、向かいの餅屋・大路屋の息子・もち蔵を始めとした商店街の人々、たまこが所属するバトン部の面々が織りなすまったり青春グラフィティです。
全12話ありますが、“ここだけは押さえておこう!”な1本を挙げるなら、
「第9話・歌っちゃうんだ、恋の歌」(吉田玲子脚本/三好一郎演出)
たまこの父・北白川豆大の学生時代。たまやを訪れたセーラー服の少女。
勘違いと早とちりが災い転じて福となり、その少女ひなこ(後のたまこ母)とお近づきになった豆大。純情父さんの青春時代。
お話戻って現在。10月10日おもちの日を控えて大忙しのたまや。しかし、たまこの妹あんこが浮かぬ顔。
たまこから糸電話の密命を受けたもち蔵があんこに尋ねると、大好きな同級生の柚木くんが転校してしまうらしい、それも10月10日に。
せめてお別れを。餅つき大会で賑わうたまやからもち蔵があんこを連れ出し、たまこがお土産(つきたての御餅)を手渡してゴーアヘッド。
無事に別れを告げて一件落着。たまやでも一息ついた父さんがギター片手に1曲…そのフレーズを耳にしたたまこが仰天。
豆大のバンド仲間だったレコード屋「星とピエロ」のマスターが持っていた当時のビデオテープに見入るたまこら(しっかりデラが映写機として利用されている)。
ここで『けいおん』か…。かっちょいいじゃないか豆大。
そして、10月10日はもち蔵の誕生日。
完全に忘れられていると思っていたらたまこからケーキ(の形をした餅)のプレゼントが!
男もち蔵、乙女泣き(完全にヒロインです)。良かったなあ、もち蔵。
以下おまけ。
餅つきのリズムから、故郷である南の島を思い出し、大地の踊りを披露するチョイちゃん。可愛いにも程があります。ダンスだけフル収録した映像ってないのでしょうか。
全レギュラーの中で私のイチオシは大工の娘・牧野かんな。
「目測が得意で直角が大好きです。あと家の梁とかに興味があります」
父親を親方と呼び、高い所が苦手。ネジが1本緩んでいるように見えて実は一番冷静で鋭敏。バトン部の部長の座を狙う黒い野望あり。
何と言うか、たまことは違う意味で癒される娘です。