デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

次に目覚めた時は…。 長門有希ちゃんの消失♯10-13

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「今日、好きな人ができた」
 
消失、現出、そして消滅。何故か長門には切なさがつきまとう。
 
長門有希ちゃんの消失/第10-13話」和田純一監督
 
梅雨のある日(サムデイ イン レイン)、タクシーにひかれかけた長門人格が一変。それはまるでハルヒ本編に登場するヒューマノイドインターフェイスとしての長門有希(によく似たクールビューティー)。
 
最初に気づいたのは朝倉。


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「やっぱり、あと、もうひとつ。…あなた、誰ですか?」
 
元の長門の記憶を共有し、その感情もデータとして知覚しているが、“他人の日記を読んでいるような”違和感。
 
そんなもうひとりの長門をごく普通に受け入れる朝倉とキョン
 
有希ちゃんのキャラが「ハルヒ消失」の長門と違うように、このクール長門も「ハルヒ憂鬱」の長門とは微妙に異なります。
 
時折見せる“有希ちゃん”な表情と仕草。


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冷静沈着にボケるかと思えば、簡単に動転もする。


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共有する記憶の中に存在する様々な有希。周りの人間と共に自分が作られていくという自覚。そこまでか!?というくらい綾波と被りますが、有希ちゃんのキャラ立ちの良さが二番煎じ感を薄めています。


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鮮明さを増す有希ちゃんの記憶。比例して高まる有希消滅の予感とキョンへの思慕。
 
「嫌だ…消えたくない!」
 
日曜日。恐らく最後の日。朝倉さんの本気弁当を公園で食べ、図書館脇の公園のベンチで借りた本を読了し、あと心残りがあるとすればひとつだけ…。
 
無理…と諦めた瞬間、携帯に着信。相手は…キョン。とりとめのない会話の後の一瞬の静寂。
 
「好き。…私はあなたが好き」
 
自分の代わりに本を返却して欲しい。告白の返事はどっちであっても未練になるから必要ない。目覚めた時、もうひとりの私はきっと取り乱すから、家まで送って欲しい…。
 
「ちゃんと言えた。気持ちを伝えられた。これでもう思い残すことはない」
 
泣きながら夜空に手を伸ばす有希。


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「ああ、触れそう…」
 
勿論、星に手は届かない。


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「そこ、どこだ? どこにいる? 今からそっちに行く。だから、もう逢えないような言い方すんな!
 
駆け付けたキョンの前にはベンチで眠っている有希。目覚めた時は…。


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京アニ「涼宮ハルヒの消失」163分かけた時もその矜持を称えましたが、このエピに4話かけた本作スタッフの心意気にも賛辞を送りたいと思います。

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