
これまでも地上波の表現規制(不自然な光、湯気、障害物、ロゴやキャラによる部分的目隠し)はありましたが、それはあくまで当該部位を隠すという一種のモザイク処理の範疇でした。
演出家によっては、この足枷を逆手に取った(そこさえ見えなければいいんだろ的な、時として前衛的な)表現をしたりしていましたが、シーンそのものをまるっと差し替え映像で潰してしまう、というのは前代未聞です。
自由恋愛の解禁を公約に掲げ、見事ぶっちぎりの得票数で生徒会長に就任した若菜羽衣(わかなうい)。
演説時には壇上から“明るい家族計画”をバラ撒くという仰天パフォーマンスを披露しましたが、まずはここに修正の嵐。

地上波版は公約ビラか何かを撒いているようにしか見えませんね。
主人公・和泉隼斗(いずみ はやと)も会長戦に立候補していましたが、羽衣に大差をつけられ2位に(副会長就任)。
この隼斗の家に羽衣が押しかけ女房。

このドヤ顔が何か可愛い。
実は双方の親が友人同士で、赤ん坊の頃から許婚って事になっていたらしい。
因みにどっちの親も海外というアニメ鉄板の(以下略)。
大混乱の隼斗を尻目に“夫婦は寝所を共にするもの”と隼斗のベッドにもぐりこむ羽衣。
誓いの証として隼斗の左手の薬指(心臓を司るという言い伝えがあるそうな)にキスをする羽衣に対し、隼斗は「なら俺は直接会長の左胸にキスします」宣言。
これで会長も諦めてくれるだろうと思いきや「どこからでも来るといい!」。
奇襲返しにたじろぐ隼斗。しかし、今更後には引けぬ。恐る恐る羽衣の左胸に手を伸ばし…た所で何と地上波は「おくさま劇場」なる別コーナーに突入!

左:AT-X-放送版。 右:TVKその他地上波放送版。
AT-X版では、掴んで揉んで吸っているのですが、これが根こそぎカット。

こんなシーンですらカット。
画面が戻ればベッドの上で放心状態の羽衣。地上波観ていた時は何が起きたのか理解できず大混乱。

左のカットと右のカットの間の描写が綺麗に隠蔽されています。
深夜アニメでこんな芸の無い事するんなら地上波放送なんか無しで良いのでは?