
「こっちには猫耳娘、いますかねえ…」
「いないわけないだろ」
異世界に通じるGATEを通った自衛隊の活躍、と聞いてファンタジー版「戦国自衛隊」を想像していたのですが、出てきたのは「アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者」でした。
「GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり/第1話・自衛隊、異世界へ行く、第2話・二つの軍勢」(2015年7月10日、17日深夜BS11放送/京極尚彦監督)
銀座6丁目に突如現出した謎の門。中からは翼竜、異形の者を従えた中世騎士団+ローマ軍のような大軍勢。
瞬く間に戦場と化す銀座。一般人入れ喰い血の海骸山。
新橋からゆりかもめに乗り込もうとしていた非番の自衛官・伊丹耀司(いたみようじ)33歳は思いました。
「やばい…やばい…このままじゃ…同人誌即売会が中止になってしまうぅう!」

日本全国どこに出しても恥ずかしいオタクの鑑、伊丹は同人誌即売会を守るために危険を顧みず徒手空拳で武装兵士と渡り合い、皇居を解放させて一般市民を隔離。

侵入してきた軍隊は自衛隊が退治・捕縛。現場での活躍が認められた伊丹は三等陸尉から二等陸尉に昇進。
自衛隊全面協力(陸上自衛隊 陸上幕僚幹部広報室/同 第1師団司令部/同 土浦駐屯地/同 広報センター/自衛隊 東京地方協力本部/航空自衛隊 百里基地)、更にミリタリー考証が加わるという念の入れよう。

気合入りまくりの作画は、“かっちょいい!”なんてもんじゃありません。

特地(向こう側のGATE)を確保した自衛隊は警告を無視して攻撃してくる未知の勢力を圧倒的火力で制圧。

銀座事件と併せて全軍の6割を失った相手方(帝国軍)の親玉(王様)は考えました。
“まずい。このままではこちらの弱体化に付け入った近隣諸国が好機とばかりに攻めてきかねない。そうだ、小王国軍に奴らを叩かせて見捨て、全滅した所を町ごと焼き払って抵抗の芽を摘み取ってしまおう”
いやあ、最低です。結果、小王国軍は全滅(自衛隊強すぎ)。死者・負傷者10万人。正に漁夫の利。

こっち側はこっち側で、日本をトカゲの尻尾切りにして美味しい所を頂こうとするアメリカとか香ばしい連中が…。
本作に対するリアクションを眺めていると、脳内に何か沸いているんじゃないかと(もしくは何か妙な花が咲き乱れているんじゃないかと)思える人が一杯いてちょっと楽しいです。
色んな意味でタイムリー。しかも、30過ぎの萌えオタ(仕事より趣味優先)を主役に据えるというアナーキーさ。

3話からはエルフが登場。お約束とは言え、何か滅茶苦茶な展開になりそうで期待が高まります。