
暫くこの台詞は口にしておりませんでしたが、今回は自信を持って言えます。お暇な方はご唱和あれ。
『うわあ、つまんねえ』
「エンド・オブ・アメリカ」(2013年/ドリュー・ホール監督)
てっきり『ブラックサンデー』のような手に汗握る展開が待っているのかと期待しましたが、何も起きません。
いやもう見事なくらい何も。目的もバックボーンも定かでないテロリストと、キャラ設定手つかずの特別チームがちまちました消耗戦を繰り返すだけ。
時間軸も含めて編集がグダグダなので「えっと、今いつ?」「あんた誰?」の連続。

お話の整合性も滅茶苦茶。
主人公の上司っぽい人が怪しさ1万馬力で、基地に侵入者が入ったのを確認してセキュリティを解除。侵入者はヒロインを拉致して逃亡。
ヒロインを拉致させて相手のアジトでも突き止める気なのかと思えば何もせず。拉致させっぱなし。追う気ゼロ。助ける気まるで無し。
結局、主人公が独断専行して救出しますが、この件に関する追及もお咎めも無し。拉致の理由も拉致させた理由も最後まで不明。
何がしたいんだ、お前ら…。

そもそも基本設定が電波。OPクレジットで、『テンプル騎士団』『ボストン茶会事件』『クローン人間』など謎のワードが目白押し。
原題の『SONS OF LIBERTY』から察するに“自由の息子たち(アメリカ独立戦争以前における北米13植民地の愛国急進派の通称)”の末裔が秘密結社化して云々という裏設定なのではないかと思うのですが、そんな説明はビタ一文ありません。
爆弾の場所特定もウルトラアバウト。せめて爆弾解除シーンくらいあるかと思えばそれも無し。
最後はヒロイン人質にしたテロ組織の中ボスと主人公が睨み合いという、予算が無い時の「太陽にほえろ」だってもうちっとマシな演出するぞ、な構図で幕。

最初は分かりにくい編集をする事がスタイリッシュだと勘違いしているのかとも思いましたが、そうではなくて「物語を構成する」という基本能力が根こそぎ欠落しているようです。
ここまで自分勝手な映像の垂れ流し、そうそう拝めるものではありません。
何か自分に罰を与えたい気分の時は是非本作をご覧ください。