以前“迷走見本市”と称して「ゴリラ 警視庁捜査第8班/第1話・ポリスアドベンチャー」をご紹介しましたが、これはその最終話。
「ゴリラ 警視庁捜査第8班/第46話・命、燃えつきても」(1990年4月8日放送/吉田啓一郎監督)
最終回は2時間スペシャル。目玉は勿論、伊達健(舘ひろし)の殉職。
悪性骨腫瘍を患い、モルヒネを投与しながら生活している伊達が、残り少ない命の炎を燃やして職務を全う、最期は瀬戸内海に浮かぶ小島で爆発する敵の要塞を背景にしながら銃弾を全身に浴びて殉職。
もっともっと盛り上がっていい話なのに一向にメートルが上がりません。
「西部警察」でも思いましたが、どうも石原プロは殉職下手なようです。
どれも過感傷な演出をする割には思い入れが足りないというか、観ていて醒めてしまう事が多いです。
ついでに言うと、殉職とセットになっている新任刑事登場演出も下手。
「西部警察」で巽刑事(舘ひろし)が死んだ翌週の“桐生刑事(加納竜)登場編”なんか最悪。ガキの駄々と我侭全開で好感度ゼロどころかマイナス無限大。
お話戻って殉職話。私の場合、印象に残る条件は
- 即物的であること
- ヒロイズムに支配されていないこと
- 周りが過剰なリアクションをしないこと
とかでしょうか。
この条件で、お気に入りの殉職話を選んでみると…
「Gメン75/第33話・1月3日 関屋警部補 殉職」
団地の屋上で狙撃者と正面から撃ち合い。銃を構えたまま仁王立ち。一瞬助かったかと思わせて崩れ落ちると背後の壁に血飛沫。倒れた瞬間、ストップモーションとなって“1月3日 殉職・関屋警部補”のテロップ。そのままED。
Gメンは〆のバッサリ感が堪らなかったですね。
「太陽にほえろ/第52話・13日金曜日マカロニ死す」
殉職モノの走りにして代表。職務執行中ではないので正確には殉職ではないですが、主役級のキャラが立小便の直後に小銭狙いの通り魔に刺されて死ぬ、というのはとんでもなくショッキングでした。
「太陽にほえろ/第493話・スコッチよ静かに眠れ」
これも殉職ではなく病死なのですが、犯人逮捕後にグレート・カブキの毒霧の如く喀血してばったり倒れるという画面(えづら)に痺れました。
今際の際(いまわのきわ)の一言は役者に委ねられているらしいのですが、沖雅也の「死にたくない」は名台詞だと思います。
次点として「非情のライセンス/第Ⅲシリーズ26話・あゝ凶悪!さらば会田刑事」の矢部警視(山村聰)爆死シーンを。
車中に爆弾とともに拘束された矢部警視。パニクる会田刑事(天知茂)に事の真相と今後の対処を託し、会田の眼前で爆死。
上司が死ぬというシチュエーションは結構珍しいかもしれません(まあ、本作の場合、主人公が刑務所入って終わるという極めてレアな幕引きをしているのですが…)。