
『新兵は下がっているんだよ!ここからは立体機動装置の出番だ』
勇壮果敢に巨人に向かっていったナナバでしたが。
「太陽にほえろ」では、刑事殉職シーンの〆の演技は役者に委ねられていたそうです。どう死ぬ。何を言い残す。死に際は役作りの見せ場、役者の花道でした。
本作に於いても(原作ありき脚本ありきとは言え)、やはり死に際の演技は声優の花道と言えそうです。
「進撃の巨人/第28話・南西へ、第29話・兵士」
(2017年4月22日TOKYO MX放送/居村健治、江副仁美演出)
ミケの殉職を知らず、巨人の侵入した箇所を探して壁伝いに移動するナナバ率いる西班とゲルガー率いる南班。
双方からチェックしつつ進行したにも関わらず見つけることなく合流。
ウォール・ローゼは突破などされていなかった。では巨人はどこから?
コニーの故郷は壊滅していたにも関わらず、村人の姿なし。死体も血痕もなし。馬はつながれたまま。ただ、コニーの実家に嵌って身動きできない巨人が1体。コニーを見つめるその巨人のまなざしはまるで…。
28話29話は、後の伏線描写がてんこもりの回でした。
『我々は話せない。だがその大いなる意志により監視するよう命じられた人物の名なら教えることができる。その人物は今年調査兵団に入団したと聞いた。その子の名は―』
壁の秘密を知るウォール教ニック司祭の唯一の告解。
一方、“その子”を含む調査兵団西班・南班はウトガルト城跡で休息中。食料品の缶詰を見つけたのはユミル。
『お、こりゃいけそうだ。鰊は好きじゃないが…』
その缶詰を手にしたライナー。

『なんだこの文字は? 俺には読めない。ニシンって書いてあるのか? お前よくこの文字が読めたな』
その疑問を解消する前に巨人襲来。しかも多数。

『あぁ…ひでぇよ…あんまりじゃねぇか。誰だよ!!これ全部飲みやがったヤツは!?』
末期の水ならぬ末期の酒も口にできなかったゲルガー。犯人はクリスタ。ライナーの負傷箇所消毒のために全部使ってしまいました。

そして、ナナバ。
『お父さんやめて!お父さん!ごめんなさいごめんなさい…もうしません!お父…嫌だァ~!!』

ここまでの凛々しさが際立つ分、断末魔が悲壮。
塔の上に追い詰められた丸腰の104期訓練兵団卒業生。コニーからナイフを受け取ったユミルは塔から飛び降り自傷。変身。

素晴らしい引き。次回が待ち遠しいです。