デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

SILENZIO! バーバリアン怪奇映画特殊音響効果製作所

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スクリーンの映像(観客には見えない)に合わせて効果音を付ける男たち。

イカを鉈で割り、ハンマーで砕く。ドカ! バキ! グシャ! 


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『こういう内容だったとは…。乗馬の話だと聞いていたが…』

『馬に乗る女の話だ。ここはもう乗れなくなるシーン

入り口には“SILENZIO(録音中。静かに)”のサイン。ここは、

 

「バーバリアン怪奇映画特殊音響効果製作所」
2012年/ピーター・ストリックランド監督)

イタリアのサウンド・スタジオに招かれた英国人音響技師(トビー・ジョーンズ)が、B級ホラー映画「呪われた乗馬学校」のサウンド・エフェクトを担当していくうちに、精神の均衡を崩していく…

…というお話の表層をなぞると、この映画は酷く退屈です(一度寝落ちしました)。

音効マンが主役と言うと、デ・パルマBLOW OUTミッドナイトクロス)」とかを思い出しますが、ああいうサスペンスフルな展開はありません。

映画作りの裏側を覗くトリビアチックな内容でもありません。

言葉もロクに通じない異世界でひたすら拷問シーンに音を付ける日々。現実感の希薄な白昼夢。


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どちらかと言うとバートン・フィンク」「裸のランチ」「イレイザーヘッドと同じ箱。

イギリスからの飛行機代の清算がたらい回し。ようやく経理担当者を捕まえたら、

『この領収書の航空便は存在しない(から運賃は払えない)』


何度も挿入されるサイン“SILENZIO”は「マルホランド・ドライブのキーワードでもありました。

エンタメ性の低いリンチ・リスペクトな不思議時空だと思えば、楽しみ方に厚みが出るかも…。


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呻きと悲鳴。人間効果音はちょっと不気味。
 

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