デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

リマッチ失敗。 漂流教室[1987大林版]

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初見の時は原作とのあまりの隔たりに殺意にも似た感情を覚えたものですが、あれから月日は幾星霜。

 

歳も取ったし、原作は忘れて大林のファンタジーと割り切れば、それなりに楽しめるのではあるまいか? と思ってリマッチ敢行。

 

アドレナリンが分泌される事はなかったものの、原作云々とは違った角度からのツッコミが果てし無く…。

 

漂流教室1987年/大林宣彦監督)

 

ご機嫌に朝シャワーを浴びて、全裸のままキッチンの母(三田佳子)を後ろから抱きしめスキンシップを図る息子。

 

嫌いだなあ、こういうガキ。

 

トースト咥えたまま延々話をするような奴なんてこの世にいるのか?

 

学校はインターナショナル・スクール。担任のみどり先生(南果歩)が結婚というスクープに沸き立つ教室。ウェディング・マーチに合わせて歌って踊って(ミュージカルだったのか!?)。

 

その最中に地震がドーン! 学校は校舎ごと人類滅亡後の未来へタイムスリップするのですが、頼るべき教師がことごとく使えない。とくに担任のみどり先生。

 

調理室でパン屋だか給食屋だかの男・関谷(尾美としのり)に襲われた時に、掴んだ食材を次々投げつけ…って、おい! この状況下で食い物粗末にするってどういうこと?

 

教師の責任も果たさんと、「リーダーを決めましょう」とか言い垂れて面倒事を生徒に押し付ける無神経さ。

 

主人公は死に別れた訳でもないのに、母親の写真をペンダントにして肌身離さず(気持ち悪いよ!)。

 

その母親は、学校跡に空いた大穴の前で「私のせいよ! 皆私のせいなの!」ってお前どんなスゲー能力持ってんだよ。こんな事できる奴、幻魔大戦にだって出てこないぞ。

 

主人公のライバルになるイケメン野郎は口開くたびに「僕のビッグゲームはどこにいったんだ」と辛気臭い台詞吐くし。

 

ヒロインっぽい女の子は顔に砂つけ過ぎ。何でひとりだけ泥パックが干からびたような顔してんだよ。主人公はその顔見て「綺麗だ」って嘘つけ。

 

外部から紛れ込んだゆうちゃんはヘラヘラ笑いながら三輪車を周回させているだけなので、ただの精神薄弱児にしか見えません。

 

原作では、この子が未来を書き換えるキーパーソンになるのですが、映画では気配も無し。

 

うーん、やっぱりサバイバルをファンタジーとして語るのは無理があるよなあ。


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そのトーガの生地はどこから持ってきた? あとこの状況下で何言ってんだ?
 

原作を踏まえたドラマを作ろうとしたら、もうアニメにするしかないんじゃないでしょうか。


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