
「キャリー」と「エクソシスト」を足して100倍希釈。
「グレース 呪われた純潔」
(2014年/ジェフ・チャン監督)
最近、めっきり目にすることが少なくなった激安邦題。このタイトルからストレートな悪魔ものを想像する人は少ない(ってかいない)のでは?
マリーは父親の分からない子供を産み落とす瞬間、悪魔と取引して昇天。
生まれた娘グレース(アレクシア・ファスト)は神様万歳なおばあちゃん(リン・シェイ)の元で偏った教育を受けて育ちましたが、これじゃいかん!と思って大学の寮へ。
で、何故かここから唐突にグレースの視点がカメラになる主観描写に。

瞬間的な小細工かと思ったら、延々そのまま。ブレア・ウィッチやクローバーフィールドのようにカメラを構えているわけではないので、物凄く不自然。
で、(恐らく)酒とクスリとセックスな学園生活に触発されて悪魔くん覚醒。ひと悶着あった後、再び神様ばあちゃんに引き取られて(何と勝手に退学手続)、閉塞的な田舎へリターン・トゥ・ホーム。

嫌ですねえ、田舎。
唯一の憩いの場が教会。でも、神様ばあちゃんはここでも疎まれている…(ここの描写が一番面白かった)。
最後は田舎神父VS何がしたいのか良く分からない悪魔のエクソシズム。

例のグレース主観描写はまだ続いているのですが、最後の最後に視点移動。要するに悪魔の憑依対象が変わると視点が変わるというオチなのですが、「え、それだけ?」
ううむ。色々取り入れてみたいという気持ちは分からなくもないですが、全方位消化不良。
このお話から教訓らしい事を汲み取るのであれば、
- 田舎はクソ(正しいと信じることを盲目的に押し付けてくる保護者もクソ)
- 教会もクソ(グレースの母ちゃんレイプして孕ませたのは教会の神父)
- 処女は早く捨てろ
という事でしょうか。