『戦車に通れない道はありません! 戦車は火砕流の中だって進むんです!』
己を信じる者だけに許される名言です。
「ガールズ&パンツァー 劇場版」(2015年/水島努監督)
“ホラー映画のルール”“続編のルール”を熱く語っていたのは「スクリーム」の映画オタク、ランディでしたが、彼に倣って“劇場版のルール”をあげるなら、
●TVシリーズを引き継いだ試練
●より強大な敵
●過去のライバルが味方に
といった感じになりますでしょうか。
全国大会に優勝したにも拘らず反故にされた大洗女子校存続の約束。廃校撤回の条件は大学選抜チームと戦って勝利すること。
学園艦を追われ、受け入れ先が決まるまで陸地で共同生活を送る戦車道部。
大学選抜チームを率いるのは飛び級で進学した天才少女、島田愛里寿(しまだありす)13歳。島田流戦車道の後継者でもある愛里寿とみほの戦いは島田流対西住流の代理戦争。
彼我兵力差(保有戦車数)30対8。しかも殲滅戦。勝てるわけがない。でもやるしかない。
悲壮な覚悟で挑む大洗女子。そこに現れたのは…。
お約束です。鉄板の王道です。だからこそ燃える。
それでも相手は戦車道プロリーグのプロトタイプ。圧倒的な強さの前に次々膝を屈する盟友たち。
『あなたはウラル山脈より高い理想とバイカル湖のように深い思慮を秘めています。だから早く、撤退を!』
主を守るために楯となって消えていく参謀。泣けます。
TV版黒森峰戦でのマウスに相当する隠し球がカール自走臼砲。自重120トン。第二次世界大戦時にドイツ、ラインハルト社が開発。600mm砲をぶちかます怪物です。
600mm砲の直撃喰らったらそれが試合用の砲弾でも死ぬと思います。
『運命は浮気者。不利な方が負けるとは限らないわ』
TV版大団円の後でどう話を繋げるのかと思っておりましたが、見事な展開でした。
BDには本編の後日談であるOVA「愛里寿・ウォー!」も収録。ほっこりです。