以前「2012」をご紹介した時に“もういい加減、このパターン(震災通じて家族再生、お父ちゃん威信回復)はやめようぜ”と書きました。
本作は正にその悪しき継承者。「2012」「宇宙戦争」と同じ箱。しかもご都合主義さ加減において先達の追随を許さないぶっちぎりの適当さを誇っています…いるのですが…。
何故でしょう、どういう訳かあんまり貶す気になりません。
これはひとえにロック様のキャラクターによるものではないかと。
「カリフォルニア・ダウン」
(2015年/ブラッド・ペイトン監督)
これは映画ではありません。大地震を生き抜いて家族を救出するアドベンチャー・ゲームです。
プレイヤーはレスキュー部隊の隊長ドウェイン・ジョンソン(ロック様)になります。
初期装備は救助ヘリ。大地震の起きたネバダに向かう途中(整備機体なので乗員はロック様のみ)ですが、カリフォルニア州を縦断する巨大なサンアンドレアス断層(←原題)が動き、大地震発生!
カリフォルニアには離婚調停中の妻(「人喰い人魚伝説」のカーラ・グギーノ)と娘(「悪魔のいけにえ/レザーフェイス一家の逆襲」のアレクサンドラ・ダダリオ)と妻の新しい夫になる男が。
★緊急クエスト★
カリフォルニアに直行して妻と娘を救え。
筋肉はあらゆる困難を克服するのだ!
ネバダなんか知ったこっちゃありません。別れても家族、親権盗られても娘は娘。救助ヘリを私物化してカリフォルニアへゴーアヘッド!
まずは倒壊寸前のビルの屋上から妻救出。エンジントラブルを起こしたヘリはショッピングセンターに緊急着陸。
強奪祭りと化したショッピングセンターで盗難車を再盗難してネクストステージ。
途中、老夫婦に親切にしたらセスナをくれたよ(セスナに乗りますか? YES/NO)。
しかし、炎と瓦礫の海と化したカリフォルニアに着陸場所無し。ならパラシュートだ。ランディングポイントはスタジアム。
陸路が駄目でも海路があるさ。誰のか知らんが手近なボートを拝借して海へ。ぐるっと回って湾に入った所で景気よく引き潮。ヤバイ! 津波だ!
波が崩れる前に一気に波頭を超えようとしたら目の前に巨大コンテナ船の船尾(スクリューぶるんぶるん)が!
地割れ、ビル崩れ、地盤沈み、橋落ち、車燃え、津波立つ。試練の絨毯爆撃を掻い潜って娘の元へ。
という具合にロック様を操作するアドベンチャー・ゲームと割り切れば、あらゆる矛盾から解放されて、ディザスターシーンを堪能することができます(津波の水がプールの水みたいに綺麗なのは見なかったことに)。