先日ご紹介した「沈黙の作戦」から遡ること11年。セガール親父も(あくまで比較論ですが)細い!(←打っていてちょっと空しい)
これならまだ動けるだろうと思いきや、首から上が見切れた後姿の多いこと多いこと。
うーむ、この時点で既にアガリを迎えていたか…。
「沈黙の脱獄」(2005年/ドン・E・ファンルロイ監督)
悪人から金を奪って貧乏人に還元するマネロン義賊ハーラン・バンクス(セガール)。
恋人ジェイダの事もあるし、足を洗って堅気になろう、とカジノの現金輸送車の運転手にジョブチェンジ(この時点で何じゃそりゃそりゃではありますが)…したものの、いつの間にか輸送車襲撃の片棒担がされるハメに。
大カーチェイスの末、現金隠した所で逮捕・収監。誰だ、俺を嵌めやがった奴は?
話の小道具は凝っています。
予知夢を見る事ができる恋人、黒魔術に傾倒している悪人、刑務所で知り合った黒人のバディ、汚職に手を染めている麻薬捜査局のリーダーとその事を知ったために命を狙われる部下。
うまくまとめれば見所満載の展開になったと思うのですが、見事にハリボテ。
予知夢はひとつも役に立ちませんし、黒魔術は「あら、お洒落なインテリアね」程度。折角のバディも絡み少なく、肝心の脱獄シーンも超あっさり。
絵柄も変化に富んでいます。
義賊としての活躍、カジノのカーチェイスと刑務所脱走、そして銃弾と爆薬が乱れ飛ぶクライマックス。
この監督さん、「ジーパーズ・クリーパーズ」とか「ヒューマン・キャッチャー」とか「ダークウォッチ/戦慄の舘」とかを撮影した人。言うなればピーター・ハイアムズと同じ立ち位置の人です。
さぞ映像にはこだわりが…と思ったら他人の作品から映像レンタル(ええ!?)。
冒頭の建物侵入シーンはよりによってヴァン・ダムの「ファイナル・レジェンド 呪われたソロモン」からの、カジノのカーチェイス・シーンは「カジノ・ヒート」からの、刑務所の暴動シーンは「デッドロック」からの流用のようです。
ちゃんと撮れば見所満載の(以下略)。
結局、収穫は何度か象徴的に現れる病院の少女がクロエ・グレース・モレッツであった、という1点のみでした(いや、ホント可愛い)。
★ご参考