内戦が収まらない南アフリカ。政府の要請で人道支援NGOを警護する民間警備団体は裏で反政府ゲリラにも武器を横流ししておりました。
願い事は内戦の長期化。そのためにはダーティワークも。
汚れ仕事を請け負う匿名部隊が政府要人を暗殺して8年。バラバラの生活をしていたミッション関係者が次々死亡。
さて、黒幕は? という本来ならセガール親父やリーアム親父の十八番な展開ですが、今回の凄腕親父はショーン・ペン。
ストレートなおっさん無双にならない所を“ビターな大人のドラマ”ととるか、“リベラル派のもどかしさ”ととるかによって評価は変わってくるかもしれません。
「ザ・ガンマン」
(2015年/ピエール・モレル監督)
原題も「THE GUNMAN」。西部劇のようなタイトルを付けるだけあって、銃器は潤沢。
お馴染みのグロック18C(写真左)や26(写真右)、ベレッタP×4 Storm、ケッヘラー&コッホUSPなどのハンドガンに加え、
シルエットが特徴的なB&T APC9(写真左)やクリス・ヴェクター(写真右)といったサブマシンガンが華を添えていました。
中でも記憶に焼きつくのは要人暗殺に使用されたPGMヘカートⅡ。
フランス陸軍の制式大型狙撃銃。NATO標準の重機関銃弾薬である.50BMG(12.7×99mm)を使用するボルトアクション対物ライフルで、約1,800m以上での射撃を想定して設計されています。
遠距離から走行中の車に1発。フロントグラス、運転手、背もたれを貫通して後部座席の要人を見事仕留めておりました。
ボルトアクション対物ライフルと言えば、以前ご紹介した「狙撃/スナイパー」でドルフ・ラングレンが使っていたアイバー・ジョンソンAMAC1500。
アイバーは『ええい、面倒くせぇ、車ごと破壊だ!』って感じでしたが、ヘカートは『とにかくターゲットに向かって一直線!』な生真面目タイプに見えました。
今回、ショーン・ペンには、長年の(特に音による)ストレスで脳に障害が出ている(ここぞと言う所で、頭痛、嘔吐、めまい、手の震え)という特殊な足枷が。
この設定、必要だったのか、必要だったとして活かされていたのか、という疑問は残りますが、無条件チートとは一味違う“ひねり”を加えたかったのでしょう。
ショーン・ペンが肉体をビルドアップしてアクションに挑むという心意気を評価したいと思います。