あと数刻で死体。棺桶にオープンリーチの体がふたつ。
超大型巨人(ベルトルト)をエルミンに討たせる為にケシズミとなったアルミンと、
獣の巨人(ジーク)をリヴァイに殺らせる為にはらわた撒き散らしたエルヴィン。
救えるのは、ひとり。
「進撃の巨人/第21巻」
(2016年12月9日講談社発行/諌山創著)
膝が崩れるような衝撃の幕引きに続く究極の選択。
巨人化の注射を打って巨人となり、ベルトルトを喰らう(脊髄を噛み砕く)ことでエレンのような“巨人化できる人間”になる。巨人化の注射は1本限り。
生き残った者は人類の未来を背負わねばならない。エルミンか、エルヴィンか。
生き残った者たちの葛藤、主張、対立。決断はリヴァイの手に。
満身創痍リヴァイの決断は…。
ウォール・マリア奪還。そして遂に開かれるグリシャ・イエーガーの地下室の扉。
『私は人類が優雅に暮らす壁の外から来た。人類は滅んでなどいない』
時間軸は一気にグリシャの生い立ちまで巻き戻り…。
21巻にしてようやく世界観の全貌が見えてきた訳ですが、いや凄い。これだけのロードマップを作った上で、最初の1ページを描き始めたのか、この人は。
ゲットーに隔離されたとある民族の末裔。迫害と弾圧から抵抗組織のリーダーとなっていくグリシャ。その周りにいる仲間の顔に見覚えが…。
物語は収束に向かっているというのに、世界観は更なる広がりを見せる。懐深いにも程があります。
毎度お馴染み「偽予告」も必見。22巻は2017年4月7日発売。