
不況と就職難と過剰労働。親近感湧きまくりのテーマですが、舞台は1930年代のソビエト連邦。
解決の糸口は…ロボット。
「機械人間 感覚の喪失」(1935年/アレクサンダー・アンドリヤブスキー監督)
冒頭映し出される港湾の風景。仕事も家もなくただ時間を潰している大人たち。黄昏る国家。
反面、工場は生産性至上主義。精神に異常を来たすほどの過剰労働。
労働者階級から技術職となったジムは、労働者の負担を軽減するために汎用人型作業機械-ロボット-を発明(うっかり“レイバー”と打ちそうになった)。
しかし、労働者の目には“俺たちの仕事を奪う悪魔”にしか見えず…。
裏切り者の謗りを受けて故郷を去ったジムは軍需産業に職を得て研究を進め、ロボットの大量生産に成功しますが…。

Wikiによれば、ロボットという言葉が初めて登場したのは、1920年にチェコスロバキア(当時)の小説家カレル・チャペックが発表した戯曲『R.U.R.(ロッサム万能ロボット商会)』。
ただ、この作品に登場するロボットは金属製の機械ではなく、現在のSFで言うバイオノイドだったそうです。
ところがどっこい、本作で生産されるロボットにはしっかり『R.U.R.』のロゴが!
Writing Creditsにカレル・チャペックの名前が入っているので、『R.U.R.』を原作(もしくは下敷き)として作られているのでしょう。

労働者を助けるために作られたものが、労働者から職を奪い、ストライキから決起した労働者を鎮圧するための兵器として差し向けられる皮肉。
労働者vsロボット軍団! 話が革命に繋がっていくあたり、さすがソ連です。