『あんたには言ってほしい。お前なら絶対できるって。お前は本当は凄いんだって。天才なんだって。だから描けって』
『お前は…!お前のやりたいようにやればいいよ…』
違う、違うぞ倫也。お前、今回だけで幾つ選択肢間違えた?
「冴えない彼女の育てかた♭/第5話・締め切りが先か、覚醒が先か」
(2017年5月12日配信開始/大橋一輝演出)
ようやく巡ってきた英梨々回。ただでさえ圧している所に第3のルートが追加されて壊滅的作画スケジュールに追い込まれた英梨々。
『(英梨々は)ちゃんと予想通りのものを仕上げてくれる優秀なクリエイターだよ!』
『あなたまさかそれ褒めてるつもり?』
霞ヶ丘詩羽のカミソリのような一言。
予想通りのものを仕上げる…逆に言えば予想を超えたものはあがって来ない。現状に踏みとどまる予定調和のクリエイター。それは詩羽にとっては侮蔑と同義。
那須高原の別荘に独り篭って原画作業に没頭する英梨々(彼女はお嬢様なのだ)。芳しくない進捗、迫る締め切り、遂には作風を変えるとまで…。
『倫理君…あなたまさか彼女のこと』
『うん、信じてる』
『いいえ、それは信頼じゃない。ただ期待していないだけよ。あなた彼女がそんな先のないクリエイターだと思っているの? 澤村さんは作風も変えられない。進化も遂げられない。そこに限界を超えるための試練があったとしても挑まずに帰ってくる…あなたはそう言っているのよね?』
『何言ってんだよ、詩羽先輩…間に合ってほしくないの?』
『倫理君は…あなたは彼女に成長してほしくないの?』
ファンの域を出ないディレクターとクリエイターの決定的な違い。誰よりも嫌っていたはずの英梨々を誰よりも評価していた詩羽。
英梨々の心情を察することもできない倫也に呆れ顔の恵。
『今ちょっといい話をするつもりだったけど安芸君の態度のせいで言う気なくしたよ』
雪の中で新しい描き方を模索する英梨々。あと1日であと5枚。
《できる!倫也が期待してくれればできるよ…》
何やってんだ倫也、とっとと那須に行かんかい!今ヘタレを返上しないと一生最低主人公の肩書きがついて回るぞ。