デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

ゾンビ愛≦原作愛。 高慢と偏見とゾンビ

イメージ 2
 

And that her arms are surprisingly muscular, yetnot so much as to be unfeminine.

(あの腕の筋肉に女らしさを感じる)
 
人間どこに惚れられるか分からないものです。
 
 
18世紀末。英国の田舎町。大地主階級社会。年頃乙女の関心は1に結婚、2に結婚。
 
婦女子の嗜みは戦車道…ではなく武道。それも東洋武術。より裕福な家柄の人間は日本に渡って京都で学び、資産無き家柄の人間は中国に渡って少林寺で学ぶ。


イメージ 3
ドレスアップの〆は武器装着。
 
どこまでもついて回る階級社会。嫌ですねえ。
 
ベネット家の5人姉妹は少林寺派。何のために武道が必要なのか。
 
それはこの国がゾンビまみれになっているから。
 
お話の骨子はジェーン・オースティンの古典『高慢と偏見』そのまま。こちらとしては「名作の 顔に泥塗る 二次汚染」を期待していたのですが、そういうはっちゃけた感はゼロ。


イメージ 4
アクションもゴアも申し訳程度。
 
折角、5人姉妹×少林寺×ゾンビという設定を作ったんだから「チャーリーズ・エンジェル」×「バイオハザード」in18世紀英国なアクション映画にしてしまえばいいのに、作り手のこだわりは「原作の完全再現」にあったようで。
 
ゾンビ愛≦原作愛。わざわざ黙示録の四騎士まで登場させているのに見せ場無しとは勿体無い。
 
監督さんは「パルプ・フィクション」で最初にサミュエル・L・ジャクソンに殺される(ソファに寝転がっているところをいきなり撃たれる)お兄ちゃんを演っていた人なんですね。


イメージ 1
この↑冴えない兄ちゃんが本作の監督。


イメージ 7イメージ 8←ランキング投票です。よろしければワンポチを。