トンデモB級な珍品を期待(?)していたのですが、少ない(であろう)予算の掛けどころをきっちり考えた真面目かつゾンビ愛に溢れた「正当派」でした。
「ゾンビ・サファリパーク」
(2015年/スティーヴ・バーカー監督)
見事なやっつけな邦題ですが、原題は「THE REZORT」。リゾート(RESORT)のSがゾンビのZになっているのがミソです。
ぶっちゃけ新しい要素は何もありません。
ゾンビ化ウィルスの蔓延によって20億人を失ったゾンビ世界大戦から7年。
僅かに生き残った(?)ゾンビを孤島に集めて出来たのがゾンビ狩りたい放題なレジャー施設REZORT。
ゾンビ大戦で家族を失ったメラニーはPTSD克服のために恋人と共にREZORTへ。
ここに紛れ込んだ「ゾンビの人権」を主張する団体の女がメインシステムに侵入してウィルス混入。
システムダウンして制御不能となったREZORTはゾンビで溢れかえり…。
という「ワールド・ウォーZ」の世界観に「ジュラシック・パーク」(いや「ウェスト・ワールド」か)、「28日後」その他諸々をぶち込んだ御約束の佃煮。
「ボディ・スナッチャーズ」リスペクトな“叫び”はグッと来ました。
センスの無い人が撮ったら100%駄目駄目グダグダになる素材ですが、テンポの良さと急緩自在なカメラワークがいい感じにドラマを構築しています。
何と言っても撮影が綺麗(画面の美しさは七難隠す)。
計算された構図と照明、時折挟む空撮が大作の雰囲気すら醸し出しています。
モブシーンではここぞとばかり引いて数で圧倒。
勿論、緊急時に島を「綺麗に」するスクランブルも機能しています。
撮影担当したロマン・オーシンは「プライドと偏見」「ジェーン・ドウの解剖」とかを撮った人で文芸からオカルトまで守備範囲が広範。
難を挙げるとしたら主人公メラニーがちぃっとムカつく事(笑)。
何か色々自分勝手で(行動が、ではなく考え方が。正直、こいつ噛まれねえかなって思って観ていました)。
とは言え、あちこち綺麗にオチつけて90分ポッキリはお見事!
妙な期待をしなければかなりお薦めの1本です。
★ご参考×2
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