
高倉健以外はオール現地調達イラン人。勿論オールイランロケ(パフラヴィー体制時のイラン全面協力)。
インターナショナルな超大作になるスペックを十分備えているのですが、何でしょう、この溢れるプログラム・ピクチャー感は…。
大作感を削いでいる要因のひとつが外国人俳優の吹き替え。
山田康雄、森山周一郎、平井道子など声優自体は超豪華なのですが、全部日本語という所が「Gメン75」の海外ロケのようで(脚本にはノンクレジットで高久進が参加しているらしい)。

イスラム革命以前のイランの映像は今となっては超貴重。
昭和ムード歌謡満開な音楽がTVサイズの誉れを上塗り(スコアは「特捜最前線」の木下忠司)。
さいとうたかおが脚本書いている割には話がとんでもなくいい加減…と思ったら、さいとう本人は緻密な脚本を書いたのに監督がその通りに撮らなかったという「進撃の巨人・実写版」みたいな状態だったらしい。
まあ、佐藤純彌ですし(笑)。

スナイパーとターゲットの位置関係もかなりいい加減。
この後、佐藤-高倉は「新幹線大爆破」(1975)、「君よ憤怒の河を渉れ」(1976)、「野生の証明」(1978)と大作を連打。蜜月が続きます。
ゴルゴっぽいかどうかは別にして、スリムなシルエットの健さんがアーマライト片手に砂漠を駆ける様は松田優作っぽくてかっちょ良くはありました。
これ、健さんの台詞ゼロにして、外人さんの台詞字幕にして、音楽を大野雄二に差し替えたらかなりイメージ変わると思います。
★ご参考