デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

狂気と血糊とお耽美と。 新選組血風録 近藤勇

イメージ 1

ストーリーは目をつぶっていても追えるのに、人が変わればまた観たくなってしまう魔性の題材、新選組

自らが選んだ義のために滅びの道をひた走る不退転の狂気。

赤穂浪士にも似たような側面がありますが、あちらは意地が優先されているので狂気成分がやや薄め。

私は狂った話(人)の方が好きです。

新選組血風録 近藤勇

1963年/小沢茂弘監督)


司馬遼太郎新選組血風録」の初映像化。

脚本:笠原和夫×加藤泰。これだけでお腹一杯。61年の「用心棒」の影響か、しぶきけむり、血糊化粧。仁義なき暴力の生きざま死にざま。

スタート地点は池田屋急襲。蛤御門の変を経て、獅子身中の虫伊東甲子太郎とその一派が合流。内も外も不穏の佃煮。

近藤勇市川右太衛門。とにかく顔がデカい。体がゴツい。芝居が硬い。反面、力任せに進む剛腕さはいい感じ。

伊東甲子太郎は安部徹。実際にはもちっと色男だったのではないかと思いますが、キャラを考えればこの人しかいないと思えるキャスティング。

 

イメージ 2
宴で、夜道で、いい喉を聴かせてくれる安部徹。

そしてもうひとりの主人公となるのが、京の女を抱きたいと言う不純な動機で伊東甲子太郎に着いてきたノンポリ侍・篠原泰之助(木村功)。

近藤勇と篠原泰之助。この二人の友情以上愛情未満な(ややお耽美な)関係性が本作の鍵(近藤はドストレートに「君が好きだ!」とか言っちゃうし)。

 

イメージ 3

加藤武演じる土方なんかゴリラ程度の扱いしかしてもらえず不憫の極み(笑)。

お話は割りと中途半端な所で強引に幕。どうせなら、端折っていいので鳥羽・伏見もやって敗走~斬首まで持って行ってほしかったなぁと思います。

 
 

イメージ 4←ランキング投票です。よろしければワンポチを