
『ついてるよな…。俺達は出会えたんだ』
出会いと出会いが数珠のように繋がって。拳が拳を受け止めて。キャラとキャラが、原作とアニメが、作品と視聴者が。
そう、俺達はついている。
「メガロボクス/ROUND FINAL・BORN TO DIE 肉は朽ちても骨は残る。それが生を受けた証となる」(2018年6月28日深夜TBS放送/安部祐次郎演出)
遂に迎えた対勇利戦。控え室の柱に“チーム番外地”の名前を刻んだサチオ。ガウンから“TEAM SHIRATO”のタグを外し、セコンドもつけずたった一人でリングに上がった勇利。

対峙するギアを拒否した二匹の獣。

音を聞き分け、耳で試合を“観る”贋作。
インターバルでも決して座らない勇利。ギアを剥がした痛みと体力の低下で一度座ってしまえば立つことができないから。
その疲労はもはや水のボトルを握れない、落としたボトルを拾えないところまで。そんな勇利に水を差し出したのは、サチオ。

『やるよ。俺達はチームで戦ってる。でもあんたはたった一人で…』
『俺が選んだんだ。同情はいらない』
『そんなんじゃねぇ。一人で戦ってるあんたへの敬意だ。
負けた時の言い訳にされたくねえからな』
『フッ…。なら心置きなく』
リングの周りに子供はいない。ただ、男と男がいるだけ。
11ラウンドを終えたジョーに贋作が聞く。
『ジョー…おめえは誰だ? 忘れちまったのか自分の名前を。
おめえは誰だ?』

『ジョー』
『そうだ。おめえはジョー。最高のメガロボクサーだ』
おいおい、どうして君ら台詞がそういちいちかっちょいいんだよ。
死力を尽くした13ラウンド。試合結果は明示されず時間軸は1年後へ。勝ち負けよりも勇利は死んでしまったのか? ジョーは真っ白に燃えつきてしまったのか?の方が気にかかりますが…。

待っていたのはとてもとても優しい世界。そこだけは原作に抗ったのか。
EDが「かかってこいよ」でなかったのはちょっと残念でしたが(何か刷り込まれちゃってる)、実に見応えのある全13話でした。