『ここへはもう来ねえかと思ってたが…道にでも迷ったかい?』
『あぁ…』
何気に核心を衝く会話。巧いなあ。
「メガロボクス/ROUND10・THE DIE IS CAST サイは投げられた。ダブルアップでベットするも良し」(2018年6月7日深夜TBS放送/泉保良輔演出)
白都樹生を倒してメガロニア最後の出場権を手にしたジョー。しかし待っていたのは未認可地区のボス・藤巻の非情な一言。
『悪いが南部さん、ここが終点だ』
3ヶ月前、南部贋作が藤巻と交わした密約。『メガロニアでデカい八百長を仕掛けてみせる』
ジョーの偽造IDはこの密約のもとに藤巻が手を回したもの。
「野良犬のてめえをここまでにしてやったのは誰だと思ってんだ!? 俺達みてえなイカサマはな、死んだって本物になんかなれねえんだよ!」
ニセモノはどこまでいってもニセモノなのか。
サチオには父の仇を討つという目的が。ギアの開発技術者であった父は研究データの全てを白都に奪われ失意の内に死んでいった。1年後には母も後を追うように。
八百長を拒否すれば贋作のみならずジョーもサチオも藤巻のジビエ料理のスープになる(喰いたくない。絶対喰いたくない)。
贋作はサチオ父の話をネタに何とサチオの身柄を白都ゆき子に預けるという大博打。おいおい、開発データ強奪にゆき子が関わっていたらこれ幸いと口封じに殺されるかもしれないのに勝負に出たな。
ゆき子は有能眼鏡秘書に開発データ不正取得の内定を命じ、一体型ギアの免疫抑制装置設計データが不正に取得されていたことを突き止めます。
「至急不正に関わった者をリストアップしてください。厳正に処分します」
表舞台ではメガロニア第一戦、勇利vsペペ・“ザ・スパイダー”・イグレシアスが華やかに開幕。
試合は第2ラウンド、右アッパー+左フックのコンビネーションで勇利の勝利。
試合後、会場外で顔を合わせた勇利とジョー。何故戦う、何のために戦う、認め合った男だけに許される本心の吐露。
『あんたは何のために戦ってんだ?』
『夢だ。何者でもない俺を信じここまで押し上げてくれた人の夢を実現する。そのためだ』
今のジョーには痛い台詞。野良犬を拾って育ててくれたのは誰だったか?
八百長か、セメントか。選ぶのはジョー。
『なぁ 俺は今夜どっちに賭けりゃいい?』
冒頭掲げた台詞と同じギア修理屋・虻八(いい名前だ)の問いかけ。ジョーの選択は?
おまけ