『君はもう分析官ではない。エージェントだ』
(You're not just an analyst anymore. You're operational now.)
“operational”には「作戦行動可能な」「戦闘に即応できる」という意味があるそうで。
新生ジャック・ライアン プリクエル。
「エージェント:ライアン」
(2014年/ケネス・ブラナー監督)
ジャック・ライアンのCIA就職(原題は「JACK RYAN: SHADOW RECRUIT」)とデビュー戦を描くエピソード1。
ライアンを演じるのはクリス・パイン。婚約者キャシーにキーラ・ナイトレイ、CIA上司ハーパーにケヴィン・コスナーという豪華(?)な布陣。
ウォール街で働きながら、CIAの尖兵として不審な経済活動を監視するのが主な仕事。
モスクワの投資会社チェレヴィン・グループの不穏な動きに気づいて上司のハーパーに報告したら「よし、お前がモスクワに行け」
上司の命令は国を超えて非情(非道?)なものです。アナリストとしてデスクワーク専門だったライアンが現地入りするや殺し屋さんが銃弾で歓迎会。初の殺しは浴室で。
ご陽気なウガンダ人警護員エンビーは殺し屋さんでした。得物はCZ100。
一応、冒頭でイギリス留学時代に9.11が起き、海兵隊に入ったがアフガニスタンでヘリが撃墜され、脊椎を損傷して除隊という「国を想う心」と「敏捷な動きと体力」に関する理由付けはされています。
ジェームス・ボンドやイーサン・ハント、ボーンなんちゃらと違い、“等身大”の枠に収まる活躍範囲を心がけているようで、地味ながらも好感は持てる仕上がり。
でもリアルかと言うと全然そんなことはなくて、薄~いサスペンスとご都合主義を重ね焼きしたエンターテイメントになっています。
等身大の延長にいるのが、婚約者キャシー。彩り華添えとして必要なのかもしれませんがやっぱ邪魔ですね。
地味なのに嘘臭い、スケールはデカイ(米露の金融戦争を背景にしたテロ計画)が展開はショボイ(型押ししたようなストーリーで意外性ゼロ)。
ただ、王道であるが故に大きく踏み外す事もなく、それなりに面白く観ることはできます。
どこまでも“それなり”の娯楽大作でした。