デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

またひとり死神が…。 カットバンク

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『首都ってどんな所です?What's the capital like

『不潔、心労、怒りっぽくて孤独、退廃していて物価が高い』

Dirty, stressful,angry, lonely, corrupt, and expensive.

『首都が好き?And you like it

『大好きだ!』I love it.

 

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そう、そんな所でもここよりは…。

住民3,000人が全員顔見知り。小麦畑とキャノーラ畑しかない国内一寒いモンタナの田舎町カットバンク。

 

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事件なんて起きるはずがなかったのに…。

 

「カットバンク」
2014年/マット・シャックマン監督)

 

閉塞感しかない田舎町。家に帰ればボケ親父。彼女と二人、町を出るには金が要る。目に留まった10万$の懸賞金。

 

EVIDENCE AS TO THE UNLAWFUL KILLING OF ANY OFFICER OR EMPLOYEE

(公務員または労働者の殺人に関する証拠品)

 

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これだ! 喰えない郵便配達人と喋れないネイティブ使って三文芝居。偶然を装って殺人シーンをビデオに収録。

配送車も郵便物も隠して(勿論、配達人本人も身を隠して)、ビデオテープを警察へ。

よっしゃ、これで10万$ゲットだぜ!

 

世の中そんなに甘くない。

 

最大の誤算は、この日の郵便物を心待ちにしていた男がいたこと。

ダービー・ミルトン(マイケル・スタールバーグ)。森に引き籠って剥製づくりに勤しんでいる隠者。変人。その姿を見た者は誰もが『ダービー・ミルトン。死んだと思っていた』

まるで死神。彼の郵便物に対する執着と行動力が計画を掻き毟るように瓦解させていきます。

 

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小太り小男のくせに、腕っぷし(というかピンポイントで相手の急所を捉える能力)が強く、上背のある大男を一撃で倒していく様はなかなかに痛快。

行く先々で死体が転がる様は「ノーカントリー」のアントン・シガー(ハビエル・バルデム)のようです。

本作のもうひとつの見どころは頑張る爺さん。

喰えない郵便配達人ブルース・ダーン、未だに初恋の人を思っている保安官ジョン・マルコビッチ、そして、主人公の彼女の父親にして職場のボス、ビリー・ボブ・ソーントン

 

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彼らに比べれば若いですが、首都大好き郵政監察官オリバー・プラットもいい感じ。

オチが甘いですが、この3人(+1)観ているだけで何か癒されます。

 

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