『私はね、咲太君。人生って優しくなる為にあるんだと思っています』
『優しく、なる為?』
『昨日の私よりも今日の私が、ちょっとだけ…
優しい人間であればいいなと思いながら生きています』
『あのさ、翔子さん…』
『なんですか?』
『僕も…翔子さんのように生きてもいいかな?』
ああ、これが咲太の行動原理だったのか…。
「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない/第12話・覚めない夢の続きを生きている」(2018年12月22日深夜BS11放送/いわたかずや演出)
咲太の妹・花楓はただの引き籠りではありませんでした。
SNSのいじめが辛くて、もとの人格を記憶ごと葬った別人格の女の子でした。
話し方が違う…箸を持つ手が違う…ご飯とおかずを食べる順番が違う…パジャマのボタンを上から止める…歩き方が違う…花楓とは違う…違う…違う…何もかもが違う。
この事実を受け止めきれなかった母親は心の病に(ついでに咲太は胸部熊手掻き毟り思春期症候群に…)。
両親と兄妹が別居しているのはこれが理由か。
花楓を花楓ではなく、今ここにいる人格、かえでとして認識する事にした咲太。そりゃあ、後天的突発性ブラコンにもなろうってもんです。
そして2年。
玄関の外へ、海へ、次の目標は学校へと社会復帰を目指すかえで。そのかえでに記憶が戻る兆候が。
花楓の記憶(と人格)がもどればかえでの記憶(と人格)は封印されてしまう。
咲太は再び妹を失うことに…。
その日は思ったより早くやってきました。
『あれ?あたしの部屋、こんなだっけ?』
『お前…花楓…なのか?』
キャラデザも中の人も変わらないのに、全くの別人。すげーなスタッフと声優。
にしても今期は記憶喪失が花盛り。
「ゾンビランドサガ」(生前の記憶喪失⇒ゾンビ後の記憶喪失)、「とある魔術の禁書目録Ⅲ」(上条当麻の記憶喪失の事実を御坂が知る)、「やがて君になる」(生徒会劇の主人公設定)などなど。
パターン的には「長門有希ちゃんの消失」に近いですね。あちらも切ない話でしたが、こっちはもっと辛い話になりそうです。