『なあ? 向こうにいる敵…全部殺せば…
俺達、自由になれるのか?』
TV版3期後編は4月まで待たねばなりませんが、それ以降の展開を描く原作は色々すげー事になっています。
「進撃の巨人/第25-27巻」(諌山創著)
敵には敵の大義があった(23巻)、その大義をライナーの目線で描き、敵地(ライナーにとっては祖国)マーレに於いて再会を果たしたエレンとライナー(24巻)。
独断専行でマーレに潜入し、その中枢を叩くエレン。
エレン回収のため止む無くエレンの作戦に乗った調査兵団。
始祖+進撃(エレン)、超大型(アルミン)、獣(ジーク)、鎧(ライナー)、そして車力、顎(あぎと)、戦鎚(せんつい)、オールスター巨人軍団+調査兵団によるマーレ市街戦(25-26巻)。
とここまではトントンと読み進められたのですが、最新27巻が難しい。
奇襲に成功したもののパラディー島は黒船来襲と文明開化のサンドイッチ・ラリアットにより、混乱と疑念と猜疑の坩堝。
エレン、ジークの読めない思惑。開国による他国(ヒィズル国)との接触と世界との交渉を見据えたハッタリ。
エレンを拘束し、情報を隠蔽する兵団に対する市民の怒りと兵団内部の叛乱(26巻に続いて兵団に二人目の殉死者が!)。
内戦にひた走る大混乱に読み手側も大混乱。
これまでの(オセロの駒が最後に次々ひっくり返るような)「おお、あれはそういう事だったのか!?」な一気に視界が開ける爽快感が綺麗に消失。
誰が何を考え、誰と手を組み、どこに行こうとしているのか、全く見えない暗中模索。
舞台が世界になった事で限りなく拡散していく物語の方向と密度。
これは迷走なのか、大鉈振るう仕切り直し、新たなる展開の序章なのか。
答えは次巻(28巻。発売は4月)で(出るのか?)。