デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

フローリングの向きにも意図がある? ぼくたちは勉強ができない COMICS 01-05

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2期(まあ正確には「分割2クール」だと思いますが)始動まで3ヶ月。ちょっと原作引きつつ1期を振り返ってみましょう。
 
 
1期でアニメ化されたのは(多少の前後はありますがざっくり言って)5巻まで。
 
かなり景気よく端折られていますが、アニメのテンポとしてはあれで良かったと思います。鑑賞後に原作で“補完”する楽しみも増えましたし。
 
アニメでも印象的だった成幸が初めて桐須先生の汚部屋に行って、先生からスケーター時代の悔恨と「教育者は生徒たちの感情の如何に由らず、才ある道に導くことに徹すべし」という持論を聞かされたシーン。
 
『先生が才能の味方なら、俺は出来ない奴の味方ですから』
 
という成幸の言葉に対して、『そう…平行線ね』と応える桐須先生。
 
原作では二人の足元が描写され、そこにはフローリングの床が。縦に走った木目(と言うか繋ぎ目)は正に二人の立ち位置が「平行線上」にあることを示していました。


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全く同じカットがアニメにもありましたが、こっちはフローリングの線が横。
 
つまり口では平行線と言いながら、二人は同じ線上に立っているという。
 
どこまで意図的だったのかは分かりませんが、ちょっと唸った改変でした。
 
現国の試験前、十分な下準備をしたにも関わらず、範囲外からの出題が半分を占め、絶望しかけた緒方が「あきらめない!」と筆を進め、自己採点71という驚異のハイスコアを叩き出したシーン。
 
イメージ 2アニメでは気合と偶然だけで乗り切ったような描写になっていましたが、実は成幸がある秘策を授けていました。
 
それは削読法。文章を削っていく読み方。
 
「つまり」「要するに」などの言い換えのある部分は、前の文章と同じ内容を説明しているわけだから、片方の文章は消してしまう。
 
同様に「だが」「しかし」などの逆説があった場合、著者の主張はその後に来る。だからその前の文章は削ってしまっていい。
 
こうして残った部分が著者の主張、その文章の肝。
 
緒方は忠実にこの方法を実践し(最後は偶然のもたらした「当り」でしたが)、高得点をモノにしたわけです。
 
原作にはこういう(アニメでは拾いきれない)細かい描写がたくさんあります。
 
2期もアニメ×原作の相互補完が楽しみです。



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