『なぜこんなことを!?』
『平等に生きられなくとも、平等に死ぬ事はできる』
パレスチナ。イスラエル占領地のヨルダン川西岸地区の町ナブルス。サイードは親友ハーレドと二人、身体に爆弾を巻きつけてテルアビブへ。
1時間後には英雄になっているはずだった。
自爆テロの実行犯に指名された若者二人の長すぎる48時間。
「パラダイス・ナウ」
(2005年/ハニ・アブ・アサド監督)
フランス・ドイツ・オランダ・パレスチナ合作。英題もParadise Now。ついでに原題のالجنة الآن をGoogle先生に翻訳してもらったら「今の楽園」と出ました。
サイードとハーレドは、自動車修理工場で働き、暇な時は町を見下ろす高台で水パイプをぶくぶくやってる先の見えない若者(ナポレオン・ダイナマイトを思わせる倦怠感)。
サイードが家に戻ろうとすると、パレスチナ人組織の交渉代表者ジャマルがこんばんは。
『喜べ、お前たちの番がやってきたぞ』
特攻限定の赤紙。カメラの前で声明を読み上げ、髪を切り、髭を剃り、全身を清めた後、プラスチック爆弾を巻きつけて黒のスーツを身に纏い…。
こんなボンクラ野郎↖が巡礼者↗の出で立ちに…。
自爆テロに疑問を持たないハーレドと懐疑的なサイード。最初のアタックが未遂に終わりセカンドチャンスが与えられた時、二人の立場に微妙な変化が…。
各々の立場を鮮明に色別けるのが、外の世界を知っている女性スーハ。
『何をしてもイスラエル軍の方が強いのよ!』
『死は平等だ。俺たちは天国(PARADISE)に行ける』
『天国?そんなものあなたの頭の中にしかないわ』
『地獄で生きるくらいなら、頭の中の天国の方がマシだ!』
宗教(教義)だけじゃない、各々が抱える自爆の事情。大義。信念。二人の選んだ選択は。
『サラーム(あなたがたの上に平安がありますように)』
---------------------------------------------------------------------
★並べて御紹介するのは如何なものかと思いましたが…
←ランキング投票です。よろしければワンポチを。
----------------------------------------------------------------------
★本日のテレビ放送【15:00~TOKYO MX】