庵野秀明脚本、樋口真嗣監督による空想特撮映画「シン・ウルトラマン」に登場するウルトラマンのデザインが公開されました。
故・成田亨さんが1983年に描いた絵画「真実と正義と美の化身」がコンセプトになっているというこのデザイン、注目は「カラータイマー無し」と「なで肩」の2点でしょう。
元々カラータイマーはデザイナーの意向を無視した“現場の都合”で生まれたものでしたが、結果的にウルトラマンの代名詞的ギミックになりました。
カラータイマーが鳴る→残り時間あと僅か。ウルトラマンピ~ンチ!という仕掛けは子供心にドキドキしたものです。
反面、生き物っぽくないという違和感があったのも事実。
ウルトラマンがパワードスーツのようなもので、これを装着している実体が別にある、という設定(正にコミック版ULTRAMAN)なら、活動限界を知らせるアラームがあるのは頷けます。
もしくはウルトラブレスレットのような外部装着品がウルトラマンのバイタル(?)を測定してアラームを出すというのはアリでしょう。
しかし、戦っている最中、「俺、もう弱ってます」サインを光と音という視覚聴覚双方から相手に伝えるというのは戦闘能力的に如何なものかと…。
これが身体器官として胸部に埋め込まれている…そんな宇宙人なのかロボットなのか分からない設定はデザイナー的には嫌だったのかもしれません。
当時の資料とか見ると、カラータイマー無しの写真が結構残っています。
左端が今回公開されたデザイン。
ウルトラマンのメインビジュアルと言って良い「変身パース」もよく見ればカラータイマーがありません。
玩具として商品化された「変身パース」にも…。
カラータイマー無しは「成田氏の意向を汲んだ」という大義名分と、これを如何に「災い転じて福となす」創意工夫に転化するか、という見所に繋がります。
庵野が活動限界をどう表現するのか(あるいはしないのか)に期待しましょう。
どちらかと言うと私が気になるのは「なで肩」の方なんですよね。
スマート&スリムなのは百済観音っぽくて良いのですが、どっしり感がまるでない立ち姿から力強さが微塵も伝わってこないのが気になります。
どこぞの海岸に向かって立っている絵柄が併せて公開されましたが、何かを迎え撃つ迫力が全く無く、ぬぼ~っと佇んでいるようにしか…。
海辺と言えばシーモンスの大津波に対峙する「帰って来たウルトラマン」の名シーンを連想しますが、この写真だとさざ波が来ただけで流されてしまいそう。
クール&ストロングなウルトラマンになる事を期待しています。
★やたら力強いウルトラマンと言えば… mandarabatake.hatenablog.com