デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

恐竜憐みの令。 ジュラシック・ワールド/炎の王国

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地球は一家、命ある者みな兄弟。さあ、Hand in Handです。

ジュラシック・ワールド/炎の王国

(2018年/J・A・バヨナ監督)


人間入れ喰い踊り喰いの大惨事から3年。ジュラシック・ワールド(以下ワールドと略)は被害者と遺族に補償・賠償支払って店じまい。

恐竜さんたちは再び呑気な放し飼いとなりましたが、そこにイスラ・ヌブラル島大噴火の予兆。

このままだと島は火の海、恐竜全滅。助けるか、見捨てるか。

政府の決定は「何もしない」。実に正しい判断だと思いますが、『そんな事は許されない。恐竜にも生きる権利がある!』とぶちあげる団体も。

それが恐竜保護を目的とした団体「Dinosaur Protection Group(DPG)」。設立者はワールドの元運営管理者・クレア・ディアリング(ブライス・ダラス・ハワード)。

恐竜で生計立てていた人が真逆の方向に宗旨替え。

救出支援に名乗り出たのはジュラシック・パーク創始者ハモンドの元ビジネス・パートナー、ベンジャミン・ロックウッド。

ベンジャミンから全権委任されたイーライの協力で「違法だけど恐竜保護するぞ。特にヴェロキラプトルのブルーを保護しちゃうぞ大作戦」(←あからさまに怪しい)に参加することに。

クレアはワールドの元恐竜監視員オーウェンクリス・プラット)を雇ってイスラ・ヌブラル島へ。

島では先乗りしていた傭兵軍団(恐竜の捕獲・運搬担当)が「おいでませ」。

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予告紹介の時にも書きましたが、このポーズ、やっぱり北尾ですよね。


早くも島のあちこちで発破を仕掛けたような噴火噴煙がずどんばこん。

こりゃ一刻の猶予もならねえぜ、という状況ですが、動物(?)愛護を口にする人間が全員博愛主義者であるはずもなく…。

あ~こういう「時々刻々破滅が近づく状況で巻き込まれた主人公たちが兵器転用可能な物資をめぐって悪漢相手に徒手空拳」なお話、前にも観たなあ…なんだっけ?

ポセイドン・アドベンチャー2」だ!(笑)


てっきり恐竜レスキューが話の本題で島の爆発がクライマックスという「4時の悪魔」方式かと思って観ていたら、前半で島話はおしまい。

後半は拉致ってきた恐竜を高値で売りさばく闇オークションという「ナンデスカソレハ?」な展開に。

前半はそこそこ快調。オーウェンの出たとこ勝負なテキトーさと物事深く考えない軽さがプラスに作用して「インディ・ジョーンズ」に近い雰囲気を醸し出しています。

特に大噴火直前、トラックで船に飛び移るところとかあのテーマ曲がかかったらドンピシャでした。

で、後半。広い島から地下会場という閉塞感満開な流れですが、解き放たれたパキケファロサウルスがオークション会場の客を(牛追い祭りのような感じで)どつき倒すシーンには心洗われました(完全にギャグ)。

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『はじめまして。パキケファロサウルスです』

景気よくネタバレしちゃいますが、持ち帰った全恐竜を(ガキンチョの判断ひとつで)人間社会にリリースするラストはいかがなものかと思います。

「恐竜もいる、それが地球。共に暮らそう。危険も日常」な終わり方はウルトラマンガイア」の最終回っぽいと言えなくもないですが、どーすんだよこの後。「猛獣大脱走どころの騒ぎじゃないぞ。

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ライオンキングとご対面


次で帳尻合わせる気なのかもしれませんが、思想的にもちょっとなあ…。

この風呂敷畳みは難易度高いぞスピルバーグ

 

★ご参考  


  

 
★前作についてはこちらで。

 

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