デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

旧UWFの試合を観に行く感じで。 ザ・リディーマー

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『跪いて神の赦しを乞え』

Get on your knees and ask God for forgiveness

 

彼の名前はリディーマー。救世主の名を持つ殺戮者。問答無用の水戸黄門

「ザ・リディーマー」

(2014年/エルネスト・ディアス=エスピノーサ監督)


原題はREDEEMERで定冠詞無し。

チリの裏社会で救世主と呼ばれた腕利きの殺し屋パルド。とある出来事をきっかけに足を洗って(or勝手に抜けて)、現在は流浪の旅人。

行く先々で理不尽な目(息子を嬲り殺しにされたけど犯人は無罪、とか)に逢っている人の恨みを(頼まれたわけでもないのに)晴らして歩く神の使い。

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お仕置きの前には必ずその正当性を己が命と引き換えに神に問う。


パルドの後には彼の善行(?)をチャラにして回る(救われた、と思った人を焼き殺したり)謎の悪魔、サソリの姿が…。

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二人の間にどのような因縁と確執が…。

可愛そうなのはこの二人が町に来てしまったために、とばっちりでシマをささらもさらにされてしまうチリ人麻薬組織と買い付けに来たアメリカ人。

『救世主にサソリまで…もうおしまいだ、逃げましょうボス』

チリ人を従えるアメリカ人の馬鹿っぷりがエライ事浮いていて凄く“いい感じ”。

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チリ人の名前にそれぞれ意味がある(日本なら「鉄男ってIron Manって意味なんすよ」みたいな感じでしょうか)事を知って『いーなー、俺なんかただのスティーブだぞ。全然強そうじゃない。俺もそーゆー名前欲しいなー。なんか考えてくれよ』。

神と悪魔が肩組んで来た事が理解できないアメリカ人の能天気ぶりが笑えます。

パルドを演じたマルコ・サロールはカラテとテコンドーの有段者で、キックボクシングとマーシャルアーツにも通じている武道家

蹴る打つ(撃つ)極めるが心地よく炸裂しています(「マチェーテ・キルズ」に当て書きで出ていたのか…すまん、全く覚えていない)。

ストーリーに絡まないやられ役のモブキャラでも対戦はじっくり(多分、相手も有段者)。

打撃戦の合間にアキレス腱固めからヒールホールドへの移行、スリーパーホールドから腕ひしぎ逆十字の取り合いなどシュートな攻防(〆は大車輪踵落とし)。

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明らかにアクションがメインでストーリーは二の次。脚本あってなきがごとし。旧UWFの試合を観に行ったら繋ぎに小芝居が入ってた、くらいの気持ちで観た方が楽しめると思います。

製作は「レイド」シリーズ(ついでに「武器人間」とかも)のXYZ Films。

救世主役マルコは阿部寛を精悍にした感じ。サソリ役ホセ・ルイス・モスカは清水紘治をアミーゴにした感じ。

なんとなく親近感の湧く顔立ちです(笑)。

 

 ★ご参考 

 

 

 

 

mandarabatake.hatenablog.com

 

 

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★本日のTV放送【18:55~BSテレ東/シネマクラッシュ】  

mandarabatake.hatenablog.com

 

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★バズの持久力

3/23の記事に“はてブ”がついて当日のPVが1600超して「すげー!」と思ったら、翌日更に延びて6500PV超え。当日限りのお祭りアクセスだと思っていたのでびっくり仰天。

なるほど、はてなブロガーたちが「はてブ」「はてブ」連呼する理由がようやく呑み込めました。

オタクの草食み場に6500PV/Dとか明らかに身の丈に合わないアクセスなので「嬉しい」通り越して「申し訳ない」気持ちです。

でも一回味わうと癖になる愉悦ではあります。麻薬ですね、バズ。