聖地で巡礼者に模倣犯的トラップ仕掛けて喜んでいたら本家が出てきて大騒ぎ…というのはホラーでは常套句。
惨劇ゆかりの地に人を集めてあれこれ演出し、金儲けや復讐を企んでいたら、いないはずのご本人が登場して本当の惨劇になる、というアレです。
「ハロウィン レザレクション」とか「ヘルレイザー/ヘルワールド」がそうですね。
これをSFの世界に当て嵌めたのが、
「エンカウンター 地球外侵略者」
(2017年/フルヴィオ・セスティト監督)
クリスはドキュメンタリー映像作家。初めてカメラを持った7歳の誕生日に母親が失踪。
父親のDVに耐えかねて家を出て行った、が真相なのですが、父親は死ぬまで「宇宙人にさらわれた」と主張。
家族の運命を狂わせたこの出来事を「なかった」事にする(宇宙人など存在しない事を証明する)ため、クリスは仲間のカメラマンと共にニューメキシコ州ロズウェルへ。
そこはUFO信者の聖地。日々是宇宙人のテーマタウン。
宇宙人にさらわれたと主張する人々(alien abducteesと言うそうな)が告白し、演説し、研究成果を発表し、土産物屋が軒を連ねるエイリアン・アブダクション見本市。
彼らの嘘を暴くために乗り込んだ二人ですが、異分子に風当たりは強く…。特に軍とのパイプを持つと噂される町の権力者ビルは二人を目の敵に。
クリスが目をつけたのは、複数回アブダクトされたという女性、エミリー。
ひとりで複数回はレアケース。彼女を取材するうちにクリスの周りでも不可解な現象が起き始め…。
エミリーが最初にアブダクトされたのが7歳の時。次が14歳、3回目が21歳。7年おきのお出迎え。
そして2日後にはエミリー28歳の誕生日が迫っていました。
いかにもPOV型低予算な題材ですが、カメラマンの映像は一部のみ。基本普通の映画として撮影・編集しているので映像的なイラつきはありません(実に観やすい)。
冒頭にクライマックス映像を持ってくるネタバレ上等な構成は如何なものかと思いますが…。
で、そのクライマックス直前、時間配分を間違えたマラソンランナーのようなスパート具合で展開スピードが散歩からターボ。一気に客置き去り状態で駆け抜けてしまうので、きょとん&ぽかーん。
まあ、それも含め印象的ではありました。
特別ゲストでディー・ウォーレス姉さんが登場。“怪しいグッズ専門店”を切り盛りしておりました(ロサンゼルスにあるDapper Cadaverというプロップ専門店で撮影)。
この人は何かいい感じのキャリアを積み上げてますね(早く「3 FROM HELL」が観たい!)。
★ご参考
★最近のディー・ウォーレス姉さんが観たい人はこちら。
★本日のTV放送【23:00~BSプレミアム】
公開時の「チガウ、コレジャナイ」感
BD発売時の「ヤッパリコレジャナイ」感