デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

流れる星に願いを込めて。 7月19日は「サイボーグ009の日」

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本日7月19日はサイボーグ009の日」

1964年(昭和39年)のこの日、石ノ森(当時は石森)章太郎の漫画「サイボーグ009」の連載が週刊少年キングで始まりました。

死の商人の目玉企画として開発された局地戦用戦闘兵器サイボーグ

世界各国から「いなくなっても探されない」「色々あって表通りを歩けない」人間(003フランソワーズのみ例外)を勧誘(拉致とも言う)して改造手術。

因みに009島村ジョーは少年鑑別所を集団脱走した所を拉致され、002ジェットは対立するチーマーを勢いで刺し殺した所を拉致されました。

最初の被験者(モルモットとも言う)00ナンバー9人は開発者の一人であるギルモア博士を人質(偽装とも言う)に脱走。終わりなき戦いの旅へ。

石ノ森先生自身も「本当に終わらない」旅になるとは思わなかったでしょうねぇ…。

連載誌も、少年キングを皮切りに、マガジン、冒険王、COM、週刊少女コミック(!)、プレイコミック、サンデー、少年ビッグコミックと渡り歩き、正に時間漂流移民。

大河のオチの付け所なく冥府魔道に踏み込んでしまったサイボーグ戦士(と石ノ森先生)ですが、実は1回綺麗に終わっているんです。

それが有名な「地下帝国ヨミ編」

黒い幽霊(ブラックゴースト)の本体である3つの脳を乗せた魔神像が宇宙へ。

逃がすものかとその魔人像内部に009をテレポートさせる001。鬼かよ!?

本人の同意もないまま殺しの片道切符を発券された009は健気に職務遂行して魔人像破壊。

宇宙空間に投げ出された009。そこへ、お前ひとりを死なせるものか、と002ジェットが大気圏を突っ切ってお出迎え。

しかし、エネルギーを使い果たした002は009と抱き合ったまま再び大気圏へ。

『こ、この手をはなせっ はなしてくれっ きみひとりならたすかるかもしれないじゃないか!』

『そうはいかないよ 009。ぼくらはやくそくしたじゃないか…死ぬときはいっしょに…と』

『だ、だめだ だめだあ!ジェット むだ死にしては…』

『おっともうおそい。大気圏突入! ジョー! きみはどこにおちたい?

ひとつの光となって地上に帰還する2人。

その光を地上で見上げる姉と弟。

『ながれ星!』

おもちゃのライフル銃がほしいと願う弟。姉は…。

『あたしはね、世界に戦争がなくなりますように… 世界中の人がなかよく平和にくらせますようにって…いのったわ』

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死の商人に戦争の駒として作られたサイボーグが、自分は人間の心に潜む悪が生み出した(だから人間がいる限り何度でも蘇る)とうそぶく黒い幽霊を破壊し、自らも大気の熱で燃え尽きるも、地上ではその光を見て平和を祈る者がいる。

見事としか言いようのないエンディングです。

何故ここでやめておかなかったのか。読者と言う無邪気で残酷な神様にも困ったものです。

★テレビシリーズなら1期モノクロ版のこのエピソード。 
 

 

 

 

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