『未来予測…いや、アンギラスは未来を予測してるんじゃなくて直接未来を見てるとしたら?』
第3話OPで入っていた(多分AI同士の)哲学的会話…
『これは私たちが少し賢くなって』
『色んなことが分からなくなるまでのお話』
(中略)
『あ、でも変なものを見た』
『何を?』
『割れた花瓶が戻るのを』
『枯れた花が咲き返すのを』
『花びらが川を上っていくのを』
『あれってきっともしかして』
雲を掴む様な謎かけが少しだけ意味を持ち始めました。
それは正に「空想科学ドラマ」なスケール展開(特に第5話)。
が、しかし! 広げたい放題広げた大風呂敷もさることながら、今回の見どころは「これでもか!」と繰り出される「特撮画角」。
そう、特撮はアングルです。
「ゴジラS.P≪シンギュラポイント≫/第4話・まだみぬみらいは|第5話・はやきことかぜの」(2021年4月22日・29日BS11放送/高橋敦史監督)
群れをなして飛来したものの、何らかの理由でバタバタと死んでいったラドン。
生き物が死ねば当然腐ります。
大量の死骸が発する腐臭は洒落にならないものでしょう。しかし、世の中には臭いフェチな生き物もいるようで、ラドンの死骸を持ち去った不届きな輩が。
跡を追って山中に入ったユンとハベルは同じくラドンの死骸を追ってきた独立自営ジャーナリスト、海建宏(カイ・タケヒロ)と遭遇。
行きがかり上3人で捜索中、(後にアンギラスと命名される)謎の巨大生物(と言ってもまだこの時点では象クラス)とばったり。
ここでアンギラスは猟友会の放った弾丸を瞬時に背びれの動きを調整することで跳弾させ、直後に忽然と消失。弾道を予測した? いや…。
近海では民間漁船が謎の海竜生物(後にマンモス級の蛇…マンダと呼称)に襲われ転覆。
救助に駆け付けた海上保安庁ヘリとマンダ(の尾鰭)を納めたショットが素晴らしすぎ。
一方、国際的合弁会社「シヴァ共同事業体」に出向している計算化学研究者・李桂英(リー・ケイエイ)からの招聘でドバイに飛んだ神野銘(カミノ・メイ)。
リーの提示する物理法則を無視した新素材「アーキタイプ」の特性(光を閉じ込めたり、閉じ込めたエネルギーを増幅したり)を見て、「未来に現れる光子が先取りされているのではないか」と看破。
そしてシヴァ共同事業体がインドに新設したウパラ研究所の地下施設では、アーキタイプの原料(ラドンに付着していた、そしてミサキオク地下の恐竜の骨の周りにも散乱していた紅い砂「紅塵」と似た成分)の湖の中から謎の巨大生物が。
現時点で名称不明ですが、バランとガバラを足してハリーハウゼンの元で筋トレしたようなマッチョなモンスターです。
お話戻ってラドン。全滅したわけではなく、世界各地に大群で飛来。
近景に日本的下町、遠景に超高層ビルという配置は実にパトレイバー風。
で、二足歩行から四輪駆動に切り替わったジェットジャガーは正に汎用土木作業機械レイバーな佇まいに。
山中に逃げ込んだアンギラス捕獲要員として駆り出されたわけですが、ここで類はルイルイ太川陽介な頑固爺登場。
捕鯨砲を荷台に積み込んだトラックで馳せ参じた大馬鹿野郎ですが、あなた「ヒューマン・キャッチャー/JEEPERS CREEPERS 2 」にも出てませんでした?
因みにアンギラスの名称は、市長の孫がアンキロサウルスを噛んで?アンギラスと言ったのを爺馬鹿な市長が採用したから。「ギャオーって鳴くからギャオスだよ」リスペクトでしょうか?
最初にユンと遭遇した時より格段に巨大化したアンギラスは猟友会も捕鯨砲も蹴散らして人里へ(この時のアングルがまた素晴らしい)。
『黙って見てりゃあいけしゃあしゃあと。このジェットジャガーが退治してくれるわ!』
お得意の前口上と共に立ちふさがるジェットジャガー。
アンギラス、マンダ、ラドン、インドの怪獣、ミサキオク地下施設の骨と全ての元凶らしき謎の人物・葦原(アシハラ)。
何か立ち位置がゲンドウで見てくれが庵野な感じの葦原さん。
未だ出会わぬユンとメイがラインを通じて謎の真相に少しずつ迫っていくのもいい感じ。早くこの天才二人がタッグを組む所を見たいものです。
★ご参考【この機会に是非、アンギラスの雄姿を再確認して欲しい】
★そう言えばこいつも「臭いフェチ」だったなぁ。
★本日のTV放送❶【19:00~BS12/GW特別企画】
★本日のTV放送❷【27:15~テレビ東京/サタ☆シネ】