デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

再びルームロンダリングする女。 呪【ノロイエ】家2

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どんなに駄目駄目な作品でも「心に残る1カット」があればそれは名画。

ホラー映画は特にそう。

今回はちょっとやられちゃいました。

「呪【ノロイエ】家2」(2017年/大沢真司監督)

以前ご紹介した「呪【ノロイエ】家」の続編。「うっかり変なものが映っちまったぜ」投稿心霊ビデオシリーズの2作目です。

まずは前菜。飛び降り自殺を繰り返す女(の霊)を撮っちまった「電柱自殺」と思わぬ来客を招き入れてしまった「訪問者」の2本。

「電柱自殺」はハッタリ一番な掴み映像でしたが、「訪問者」は地味ぃに怖かったです。

メインデッシュは「殺人の部屋~ルーム・ロンダリングする女」

前作で「心中の部屋」に短期入居した暮木楓が再び登場。今回は殺人事件(キャバ嬢がストーカーに犯られた上に殺られた)のあったマンションへ。

一応おさらいをしておくと、ルームロンダリングとは事故物件に短期間入居して、事故の告知義務を消滅させる(告知義務が発生するのは事故後最初の入居希望者のみ)お仕事。

そして暮木楓はこのルームロンダリングを生業としている(更にそこで撮影した心霊現象ビデオをどこぞのルートで売り捌いて換金している)ちょっと闇の深いお方(しかし美人)。

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前回は気づきませんでしたが、カメラはCarl Zeissレンズ搭載なんですね。このカメラを体に固定して移動しながら自撮りすると、ステディカムを使っているような映像になって「おお、シャイニング!」な雰囲気になります(すみません、褒めすぎました)。

相変わらずの毒舌(説明を終えた不動産屋が退去した途端、舌打ち。小声で「死ね」)、相変わらずの寝相。

正に殺人(とその前の行為)が行われたベッドで寝る(しかも「大っきい~!」とか感心しながら)神経はなかなか。

前回に比べ、画としては凝っている(あれこれ仕込んでいる)のでフェイク感は増し増しですが、その分「心霊ドキュメント」としては面白く仕上がっています。

ビビったのは26分22秒。

アマゾンに「26:22の友人が去ったあとのドアの下は演出なの?」というレビューが。「友人って陣中見舞いに来た女友達だよな。はて、あのシーンに何か写ってたっけ?」と確認してみたら…。

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いやもうほんの一瞬。コマ送りにしないと分からないサブリミナル・レベルの1カット。撮影者本人も気づいた様子の無い(編集で強調されることもない)刹那の映像。

こういう「気づいた人だけ呪われる」系、嫌ですねー。

こちらがDVDのジャケット。

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前作と共通ですが「住んだら、棲んでた」ってキャッチはいいですね。笑えます(「丹波哲郎大霊界2 死んだらおどろいた!!」が語感としてちょっと近い)。

今回の一件で暮木さんはルームロンダリングの仕事からは足を洗ってしまったようなのですが、是非復活(「暮木楓-帰還の挨拶-」みたいなタイトルで)してもらいたいものです。

 

★前作のおさらいはこちらから。

 

 

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★本日7月2日はダミアン母、リー・レミック(1935-1991)の命日(合掌)。

何と言っても「オーメン」が印象深いですが、こちらもなかなか。


★本日のTV放送【13:00~BSプレミアム/プレミアムシネマ】