ウォーレンは重度のアル中。
粗悪な自家製ヤクを売って糊口をしのぐ日々。
最低の佃煮。そんなウォーレンに掛かって来た1本の電話。
昔付き合っていた(そして恐らく酒が原因で別れた)メキシコ女が死んだと言う。
そして彼女には娘がいて、ウォーレンの子だと言う。
よく分からんがとにかくメキシコの国境近くまで行くから、そこで場所とか指示してくれ。
とは言ったものの、ガソリン買う金もない。
仕方なくヤクを卸しにいったら、即座に粗悪品とバレて一触即発。
ちょっとした行き違い(?)でバイヤー殺っちまったウォーレンはその場に遭った現金鷲掴んで逃走。
辿り着いたのはメキシコ国境近くの寂れた町、ベッドフォード・フラッツ。
そこは1年中狩猟可能な狩りの町。
折しも年に一度の狩猟祭(町に不要なゴミを処分する綿流し祭みたいなもの)が近づいておりました。
「ハンティング・ナンバー1」
(2017年/ジョーイ・ディーチ&ルーイー・ギブソン監督)
通りすがりの町で狩りの獲物に…という建て付けを見ると「2000人の狂人」とか先だってご紹介した「ザ・ハント」と同じ箱になりますが、本作は「アル中映画」として観るのが吉。
ウォーレンは酒が切れると手が震え足が震え満足に立つこともできなくなりますが、ひとたび酒が入ればシャッキリシャキシャキ。
酒が入ればこの距離でも正確無比。
アルコールが僅かでも含まれていれば燃料化が可能。
リステリン一気飲み。洗剤と砂糖をコーヒーメーカーにセットしてエタノール精製。
一般人には生涯不要なサバイバル技術で局面打開。
勿論、戦闘での機転と度胸も。
ショットガンのシェル底面をナイフで叩いて掌中発射。
面白いのは狩る側にもアル中患者がいる事。
かつて酒に溺れ、子供を亡くし、狩猟祭のターゲットにされたものの、逃げ切って町に戻り、ハンターにジョブチェンジしたスティーブ。
恋女房とタッグを組んで参戦。カミさんの得物はトゲトゲバット。
「ひゃっは~!」な突撃をかまして来たウォーレン夫妻でしたが、ウォーレンに返り討ちに。
妻を失ったスティーブは全方位逆ギレ。
ウォーレンは勿論、過去の遺恨から町(特に狩猟祭を仕切っている保安官)にも牙を剥いて大狂乱。
アル中VSアル中。向かう先はメキシコ国境。美味いテキーラを飲めるのはどっちだ!?
トランプの野郎!
因みに、共同監督(脚本)に名を連ねているルーイー・ギブソンはメル・ギブソンご子息様でございます。
★アル中患者の実態に関してはこちらを。
★田舎の町のお祭りと言えば…
★そして、酒の映画と言えば…
★一足先にメキシコ国境柵を飛び越えた監督父・メルギブさんのメキシコ刑務所日誌はこちら。
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