『アメリカも1943年に同様の実験を行っていた。統一場理論を使って駆逐艦エルドリッジを不可視にする…フィラデルフィア計画だ』
アメリカ「も」?
同じ頃、大戦の局面打開のために似たような実験をしていた国がありました。
実験は成果を見ないまま戦争終結。関係者は撤退。施設は廃棄。
地下壕にその残骸を残したまま。そして現在。
「ゾンビ・ソルジャー」
(2007年/ステイーヴ・バーカー監督)
身も蓋も無い邦題ですが、原題は「OUTPOST(前哨地点。過疎地にある駐留所)」。
以前ご紹介した「ヒトラー最終兵器」の原題が「OUTPOST: RISE OF THE SPETSNAZ」でシリーズ3作目(つまり本作がシリーズ1作目)。
時代は現代。政府軍と反乱軍が小競り合いを続けている東ヨーロッパ某国。
その危険な紛争地帯の真っただ中に「鉱物資源の調査」に行くというビジネスマン、ハントにボディガードを頼まれたDC(レイ・スティーヴンソン)は、腕利きの喰い詰め者を集めて即席の護衛部隊を編成。
護衛部隊は国籍も出自(かつての所属)も異なる傭兵部隊なので、扱う銃火器も様々。
DCの得物はHeckler & Koch G36C。
エピローグに登場する増援部隊はフランス兵のようで(映るの一瞬ですが)FA-MASを持っておりました。
安普請なトラック(でもこういう👇絵面結構好き)で着いた目的地は廃棄された地下施設。
そこにあったものは…。
ま、用意するにナチが最強の兵士=ゾンビ・ソルジャーを生み出すための実験をしていて、その成果物は未だその場に留まっているといういつもの設定な訳ですが、論拠に統一場理論を持って来たり、実証実験の傍証としてフィラデルフィア計画を引き合いに出すなど変なリアリズム(?)を持たせているのが特徴です。
ナチの製作した本実験のプロパガンダフィルムが実にいい感じ。
とは言え、どう繕ってもゾンビではある訳ですが、他のゾンビと違うのは、磁場に引っ掛かっている(時間からも空間からも見放された)存在なので、物理攻撃が無効という無理ゲー仕様になっているという事。
弱点がないというのは(ただでさえまったりした展開なのに)緊張感を削ぐ建て付けなのでもうひと捻り欲しかったところです。
ゾンビとの攻防が今ひとつ盛り上がらないという欠点(致命傷とも言う)はありますが、モノクロ限界値な色調とシルエットを巧みに使った絵作りはなかなかに好みではありました。
「ヒトラー最終兵器」とセットでご覧ください。
★レイ・スティーヴンソンと言えば…
★Heckler & Koch G36Cと言えば…
★FA-MASと言えば…
★フィラデルフィア計画と言えば、
★そしてシリーズ最新作はこちら。
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★本日のTV放送【13:40~テレビ東京/午後のロードショー】