≪こっくりサメからは逃げられない!≫
≪この世もあの世もサメばかりだ!≫
見事な惹句、見事な煽りです。本編が駄目と手抜きの佃煮でも、こういう心洗われる名文句があるだけで何か救われた気がします。
偉いぞ、コンマビジョン(←DVD発売元)
「ウィジャ・シャーク 霊界サメ大戦」(2020年/スコット・パトリック監督)
ヤシの実のように浜辺に流れ着いたウィジャ盤。
拾ったのは自称≪オカルト一家≫の娘ジル(ステフ・グッドウィン)。
友達とゲーム気分で降霊したら霊界サメがこんにちは。
という「所かまわず物理法則無視で現れるサメ」シリーズ(とでも言えばいいのか)の一編。
スコット・パトリックと言うのは『ジュラシック・シャーク』『ロスト・ジョーズ』を撮ったブレット・ケリー監督の変名。
2020年作って事になっていますが、完成したのは2017年。3年近く塩漬けにされてから陽の目を見た不遇の作品…ですが、理由は本編を見れば分かります(同情の余地無し)。
召喚されたサメくんは霊なので、(VFXと言えば聞こえはいいですが)ホログラフのようにゆ~らゆ~らと頼りなく漂うばかりで重量感がありません。
半面、主人公ジルを演じたステフ・グッドウィンはみっちみち(むっちむちではない)の体形で重量感が半端ありません。幽霊サメごとき体当たり一発で倒せそうです。
サメくんは当然撮影現場にはいないので、リアクションは全て一人芝居。
せめて被害者咥えて森の中を駆け巡るようなカットのひとつでもあれば大分気分も盛り上がるのですが、近づくサメくん→慄く人間、をカットバックで繋いで暗転し「ガブ」という効果音が入るだけで直接的な描写は何も無し。
あー喰われたのね、はい、了解、じゃ次って感じです。
ジルが拾ったのはウィジャ盤のみなのですが、何故か仲間と合流した時にはプランシェット(ウィジャ盤の上を動いて文字を指し示す三角形の板)もセットに。
いつ手に入れたんだそれ。それともプランシェットだけ持ち歩いているのか。
あと、君ら自分の手が邪魔で絶対文字見えてないだろ(ウィジャ盤とプランシェットと人間の手の尺度が全然合っていない)。
壁とか自在にすり抜けてくるのに、家の中に入れば安全とかおかしくないか。
という褒めどころがまったく見つからない作品なのですが、見どころはありました。
始まってから59分が経とうという所(因みに本作のRunning Timeは70分。しかもエンドクレジットが約7分あるので本編約63分)。
『我が家はオカルト一家なんだ!』と豪語するジルのお父ちゃんが幽霊サメと雲の上で霊界バトル。
この一瞬のために見る価値はあ…る…んじゃないかな…と思います多分、いや絶対。
毎度お馴染みジャケット詐欺
★所かまわず出現するサメと言えば、
★本日2月20日はロバート・アルトマン監督(1925~2006)の誕生日。
アルトマンと言えば「M★A★S★H マッシュ」と、