中国大陸をひた走る列車に大量の蛇が割り込み乗車。
運賃払わず乗客入れ喰い踊り喰い。
「キング・オブ・スネーク 蛇王」(2020年/チェン・ファンシアン監督)
毎度お馴染み中国産CGモンスター映画ですが、ちと毛色が違うのは時代設定が「軍閥時代」になっているということ。
第一次世界大戦にいっちょ噛みした日本が、戦争に気をとられているヨーロッパ諸国を尻目に中国に進出、火事場泥棒のようにドイツの中国利権を掠め取って漁夫の利。
日本に叩かれ、内部からも突き上げられた袁世凱が「こうなったら皇帝になるしかない」といらん野心起こして帝政を敷いたものの僅か83日で潰えて死亡。
で、北京政府の統制が失われ、各地の軍閥が集合離散を繰り返す1916年から1928年の間のどこか、というちょっとした時代劇の様相を呈しています。
時代考証が合っているのかどうかなんて事はこちらにはビタ一文分かりませんが、何となく惹かれるものがあります。
最初は通常サイズの蛇を物量作戦で大量投入。車内が景気よくパニックになった所で親玉登場。
バイオハザードのヨーンを思わせる大蛇、しかも双頭。
落石で前進不能となった列車を捨てて、山へ向かったら毒蜘蛛(ナリは小さいが数が半端ない)一座がお出迎え。
何とか近所の村(主人公の生まれ故郷)に逃げ込みますが、ここも蛇の絨毯が通った後。
今回の蛇は毒性が強く、いつもの解毒剤では効果薄。
完全解毒には蛇王谷(じゃおうこく)に咲く蛇腥花(じゃしょうか)が必要。
ようし、お花を摘みに行くぞ、という後半は話はショボイは見せ場はないわで肩透かし腰砕け。クライマックスはドリフのコントでただ事ではないがっかり感ですが、それでも軍閥列車という設定は十分魅力的なのでした。
おまけ
この手のモンスター・パニック映画の宣材は「絵に描いた誇大広告」がお約束。
列車に巻き付いて持ち上げるビジュアルは轟天号に絡みつくマンダのようでグッと来るものがありました。
★蛇でパニックと言えば…
★列車でパニックと言えば…
★轟天号と言えば…
★本日2月21日は大杉漣の命日。
そして本日を以てウェブサイト「大杉漣記念館」が閉鎖されるそうです。
忘れ去られるのはちょっと悔しい怪優さん。
お亡くなりになった時の追悼記事と、晩年の心に沁みる1本を。
★本日のTV放送【13:40~テレビ東京/午後のロードショー】