『おい、救えよ。救って見せろよ。祓いたまえ、清めたまえ。神はひとつにして願い成就せざるなし』
今期最大の飛び道具かもしれません。
「神無き世界のカミサマ活動/第1話・カケマクモカシコキ ミタマノオホミカミ ハラヒタマヘキヨメタマヘト ミタマノミコト カシコミカシコミマヲス」(2023年4月5日深夜TOKYO MX放送/稲葉友紀演出)
卜部征人(うらべゆきと)。絶対神ミタマ様を崇める新宗教「神地宗教(しんちすうきょう)」二代目教主(予定)。
現教祖である父・卜部聡一朗のスパルタ教育は極みに達し、今日はその総決算。
『これより我が息子は「産霊(むすび)の儀」に入る。三日間水中に沈められ、死を乗り越え、教団の新たなる指導者となるであろう!』
何故か全員ハゲマッチョな信者の群れに担がれ、クロヒゲ危機一髪的な拘束をされた征人は断崖絶壁から海へ。
魔女裁判並みの試練。クソのような走馬灯。エンド・オブ・人生。
気が付けば川のほとり。少女が俺のレバーを握って、上下に激しく…
素晴らしい蘇生術です。心臓マッサージと人工呼吸とこれを選べるなら迷わずこれ。
無事、意識が戻った征人。見渡せば…。
どこかで見たことがあるようなファンタジー世界。間違いなく今流行の異世界転生!
が、しかし…。
ここには異世界のお約束がひとつもありませんでした。
♪チートはねえ、ギルドもねえ、最初の仕事は農作業。魔法はねえ、魔王もねえ、ダガー持ったらブドウ狩り。おらこんな村やだぁ…
直面した最初の課題は採れ過ぎたブドウの始末。保存が利かないから食べる分以外は捨てるしかない。何か有効な活用方法は…。
そら勿論、酒でしょ。果実を酒に変えた征人(この世界での呼び名はユキト)はヒーロー。村は毎日酒池肉林。
ユキトをピストン蘇生した少女アルラルと最初の友人となった気のいい青年ロイ。
3人連れ立って皇都へ。目的は「恐ろしい禁書」の入手。それはセックスについて書かれた本らしい(「ただのエロ本じゃねぇか」byユキト)。
店を見つけて恐る恐る手に…。
構図が「パトレイバー2」ですな。
そしてこれがその中身。
『なんてドエロイもの売ってやがるんだ…この店危険だぜ』
なんて平和な世界なんだ、と思わせて事態は急変。
この世界には、一定の年齢に達すると国からの指示で自ら命を絶つ決まり「終生」と呼ばれる制度があるらしい。
誰も死を恐れず、疑問も持たず、国民の義務として粛々と死んでいく。
ただし、アルラルやロイのいる村はこれとは別枠。
そこは「カクリ」。「終生」に従わないはぐれ者が集められた場所。国から「異常者」と決めつけられた人間の掃き溜め。
村の人間は指示ではなく、ある日突然「終生」を強制される。そして強制執行に名指しされたのはアルラルと姉シルリル。
アルラルはその事を隠してユキトに夜這いを(やり方を完全に間違えておりましたが)。
ユキトが寝ているうちに強制連行されたアルラルとシルリル。
事の次第を(抵抗してボコボコにされた)ロイから聞いたユキトは馬車を飛ばして皇都へ。
シルリルは既に執行後。
アルラルの執行には間に合いましたが、皇国の剣士ベルトランの手で二人揃って斬殺。
何故、理由もないのに死なねばならない? 神がいるなら救ってみせろ!
向こうの世界から唯一持ってこれた勾玉に祈る。
そして…神は来た(え、マジで?)。全裸幼女の姿で(なんだってー!)。
『ユキト!やっと呼んでくれた!やっぱりユキトはボクがいないと駄目なんだから!おわぁ!ボクがいない間に誰がこんな事を!?』
幼女怒りの神技発動。
『祓え…死より暗い恐怖に沈め!』
処刑人全員が一瞬で闇の中へ。
『ユキト~すぐ治すから…うああ中身が出ちゃってるよ』
アルラルも蘇生…しましたが目の前には不可解極まる光景が。
『ユキトが治った~ボクの可愛いユキトー』
『はぁ?』
この幼女は一体…
勿論、当のユキトも初対面。
『え、誰、お前』
『ボクはミタマ。君の神様だ!』
カルト教団の死の修行から異世界転生、ピストン蘇生から平和な田舎暮らし。エロ本探求から夜這い、自殺の強制から斬殺、神降臨・奇跡発動…。
何だこの超展開(笑)。
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