デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【この世の終わりは神の祝砲】ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜【社畜オブ ザ デッド】

『先月のサビ残は?』

『150時間す』

『200越えてからが本番だよね』

『血尿出してないうちは二流だよね』

『胃に穴開けんのも仕事のうちだ』


黒交われば漆黒に。PAINT IT BLACK。これが社畜の生きる道?

「ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜/第1話・アキラ オブ ザ デッド」(2023年7月9日TBS放送/川越一生演出)

天道輝(てんどうあきら)が新卒で入った制作会社(広告代理店ですね)は真っ黒こげなブラック企業

初日の歓迎会で飲み食いしてお開きを宣言した後、全員で「じゃあ、そろそろ会社…戻ろうか」と言ったのは笑うと同時に鳥肌が立ちました。


そのまま完徹して地続きで翌日。更に連泊。

家に帰れたのはそこから更に3日後。次に帰って来れるのはいつだ?

それでも体育会系(ラグビー部)の体力に任せて3年。疲弊も摩耗も通り越して心も身体も完全崩壊。

『会社…行きたくねーなー』


このまま目覚めなければいいのに、と思いつつ、仮眠とも言えぬ睡眠をとって家を出たら街はゾンビでお祭り騒ぎ

しかもロメロ型じゃなくて全力疾走型。

取り合えず逃げる。逃げながら考える。


『あれ?…って言うか、もしかして、これってもう…今日から会社、行かなくてもいいんじゃね? や…やったー!』

昨日までの俺に見えていたのは、黒いモヤに覆われたモノトーンの世界だった。青い空、緑の木々、真っ赤な!いつから忘れてたんだろう。世界ってこんなにも鮮やかな色に満ち溢れていたんだなー。

見上げれば墜落飛行機。パンデミックと言えば墜落飛行機ですよねー。

左は「ジュラシック・リボーン」、右は「回路」

 

会社に行かなくていい1日って、何て素晴らしいんだー!

今日は何しようか。やりたかった事は山ほどあるけど、何はともあれ入社以来憧れ続けて来た(しかし、社長の愛人だった)経理の鳳沙織さんに告白だ。

『愛人だろうが関係ねえ。3年分の想いを伝えずに後悔するくらいなら…ゾンビに喰われた方がマシだ!』

鳳さんは自宅で社長と仲良くゾンビ化しておりました。

『俺たちの命があと1日だろうが、60年だろうが、やりたい事をやれる時間はあまりにも短い。だったら俺は!』


真っ暗闇な社畜生活を送る者にとって、この世の終わりは神の祝砲。

希望に満ちたデストピアの始まりです。

 

 

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