デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

同居人は押し入れ時々肩の上。 Lv1魔王とワンルーム勇者 #3

『マックス、お前…この部屋に暮らしていて何か変なことはないのか?』

『は? 何だよ変な事って?』

『何だって事無いだろ!こ、こんな…は!!』

あー流石、神官。魔族だけじゃなく色んなものが見えちゃったりするんですね。

にしてもこの古式ゆかしき純和風なお姉さんの正体は何なんでしょう。

「Lv1魔王とワンルーム勇者/第3話・僧侶フレッド」(2023年7月17日TOKYO MX放送/木村佳嗣演出)

全裸メリケンサック女(魔王の「有能な」秘書、ゼニア)との深夜鬼ごっこ映像が拡散された勇者マックス。

久しぶりに写真週刊誌「フリーデイ」の追っかけ取材を受けたり撒いたりとぼけたり。

その女性記者の口から出た言葉。

『戦士レオ率いる「ガンマ共和国」による王国北部の不法占拠について…何かコメントを』

戦士レオはかつて共に世界を救ったパーティメンバー。

今回は冒頭で、マックスとレオのコンビに僧侶フレッドが加わりトリオになった経緯が描かれていました(多分アニオリ。作りが丁寧で嬉しい限り)。


記者を撒いてオンボロアパートに戻ったマックスに来客。

ドア越しでも感じる凄まじい魔力の気配の正体は、魔王討伐後、魔導庁長官にまで昇りつめた僧侶フレッド(と部下2名←外で待機)。

ここに魔王がいては無駄に話がややこしくなる。取り急ぎ押し入れに隠して旧友再会。

フレッドの目的はマックスの勧誘。

ほんの3年前に勃興した新興国「ガンマ共和国」。

打ち立てたのは王国を離反したかつての仲間、レオ。

共和国とは名ばかりで実際は王国の一部を不法占拠しているテロリスト。このままではいずれ王国と正面切ってぶつかることになる。それは戦争ではなく内戦。王国から見れば制圧。

その時の備えとして、レオに対する抑止力としてマックスが欲しい。

王国軍に加われば再評価にも繋がる。こんな安普請なアパートからも出られる。

マックスの答えは勿論「NO」。

一旦は諦めた素振りのフレッドでしたが、拡散された動画に映っていた全裸メリケンサック女がただの酔っ払いではなく魔族だと見破っており、この事がバレたらとんでもないスキャンダルに発展すると揺さぶりを。

次は一体どんな肩書がつくのか?


更に押し入れの中から発せられるただ事ではない魔力を感じ取っていたフレッドはこれが証拠だと襖をオープン。しかし、そこにいたのは…。


フレッドって冷徹系の男かと思っておりましたが、結構本気でマックスの現況を憂いているようです。

幽霊は見えますが耐性はないようでかなりのビビリ。


部下に支えられて去っていく(自分で足動かさず運ばれるがままの)姿はポンコツ上司の誉れを上塗りしておりました。

ま、要するに「憎めない奴」という事です。

自業自得とは言え落ちぶれた勇者、魔導庁長官にまで昇りつめた僧侶、そして理由は分かりませんが王国に反旗を翻した戦士。

かつての仲間の微妙な立ち位置。勇者と魔王のすっとこどっこいな日常が描かれると思っていたので、この重さはちと意外(でも嫌いじゃない)。

実は原作ではフリーデイの突撃取材を受ける直前に、魔王がマックスの前でダイナマイトJKに変身し、マックスがその姿にグッと来てしまう(マックス的ドストライク)というアブナイ場面があって密かに期待していたのですが、残念ながらスルー。

OPにあったこの👇カットが実にいい感じだったので、もう勇者と魔王の異種間キャッキャウフフでもいいような気もしています。


重めの話は早めにカタつけて魔王と勇者の甘い(「同室の魔王様にいつの間にか駄目人間にされていた件」的な)日常を綴って欲しいと思います(え、俺だけ?)。

 

 

 

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★本日7月19日は中田秀夫監督(1961~)の誕生日(おめでとうございます!)

かつてのJホラー牽引役も今はいずこ。清水崇と並ぶ残念無双な監督になってしまいました。今回は比較的最近の2作をどうぞ。

 

★本日のTV放送【13:40~テレビ東京午後のロードショー