恋した美少女に一心不乱のウザ絡み。それは夢のような時間。
でも夢はいつか醒めるもの。躁転が治まった後にやってくる鬱の波はひときわ大きいもの(らしい)。
俺は今まで何をしていたんだ…?
「夢見る男子は現実主義者/第1-3話」(2023年7月テレビ東京放送/古賀一臣監督)
今年古賀監督は「久保さん」「てんぷる」そして本作と大活躍。その多忙ぶりは吉か凶か。
佐城 渉(さじょう わたる)高校1年。中学時代に一目惚れした夏川愛華(なつかわ あいか)に今日も朝からウザ絡み。煙たがられても拒否られてもひたすらアタック。
自他ともに認めるストーカーなわけですが、愛華の拒絶が本気モードではないため、見ようによっては夫婦漫才と取れなくもなく。ある種微笑ましい風物詩。
この佐城がある時をきっかけに現実に立ち返り(熱から醒めて正気に戻り)、愛華と距離を置くように。
これまでゼロ距離射撃を連打していた男が急に遠距離からエールを送って来るだけの存在になったから愛華困惑。嫌われたのか、と言う不安と焦燥。
この身の丈を知ってハイパーシニカル&リアリズム男子となった佐城が周囲の人間(基本女子)と関わり、結果的にお悩み解決に導くというのが基本骨子…まぁ、サブタイ付けるなら「やはり青春ブタ野郎はひとり奉仕部の夢を見ない」とかになるんじゃないかと思いますが、佐城の心情描写ががっつりカットされているので、お話が唐突ぶつ切れ投げっぱジャーマン。
佐城が愛華と距離をとる切っ掛けを生んだのが目の前に飛んできたサッカーボールなのですが、ここからしてウルトラ説明不足。
アニメではサッカーボールが通り過ぎた刹那、宇宙の理に接したかのような大仰な描写が挿入されておりましたが、実際には単にここで「我に返った」だけ。
どこをとっても平均以上でも以下でもない、これと言った取柄もない普通の男子が、超絶美少女相手に何やってんだ、キモいだけじゃないか(引用はコミカライズ版から)。
自己嫌悪に苛まれた佐城は周囲のあれやこれやに見切りをつけ、身の丈に合った生き方をすることを決意…するのですが、その説明が全くない😲!
原作の佐城は自身の置かれた状況を言葉で整理し、相手の言動を推測・仮定して次の行動を選択しているのですが、その理詰めな過程・行程がまるっと削ぎ落されているので、場当たり的に皮肉を言っているだけのようにも聞こえてもどかしい限り。
「ブレードランナー」の劇場公開版とファイナルカットの違い(もしくは「2001年宇宙の旅」の初号版と公開版の違い)みたいな感じでしょうか(タブンチガウ)。
佐城の性格は嫌いじゃないですし、愛華のツンデレも両片思いを際立たせていて「いい感じ」なので、もちっとうまい具合に料理して頂けると助かります(シリーズ構成・横手さんなのになあ)。
キャラ一番は愛華のクラスメイトにして親友・芦田 圭(あしだ けい)。
お話の進行役件整理役。何と言っても裸足上履き派というのが高ポイント。
佐城との関係も屈託がないので、実は阿吽の名コンビ。
ヒロインが口下手だったりコミュ力不足の場合、隣で支える元気印が必要不可欠。
「まちカドまぞく」の佐田 杏里(さた あんり)👇とか、
最近だと「お隣の天使様」の白河 千歳(しらかわ ちとせ)👇など。
ヒロインがロングヘアというケースが多いので、必然的に元気印はショート気味になりますね。
アニメは作画が海外メイン(特に3話はほぼ丸投げ)のようなので、佐城の顔とかかなり怪しい(モブ男子と区別がつきにくい)のですが、こういう👇お話の流れと関係ない描写に力を入れているのは好感が持てます。
キャラ的にはもうひとり≪カリスマ風紀委員長≫四ノ宮 凛(しのみや りん)にもグッときているので、そのうち「風紀委員選手権」でもやってみたいと思います。
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★本日7月20日は「Tシャツの日」。
日付はTシャツの「T」がアルファベットの20番目の文字であり、また、国民の祝日「海の日」(2003年の祝日法改正により現在は7月の第3月曜日)にはTシャツがふさわしいことから。
映画でもアニメでもTシャツは「さりげない主義主張」の小道具。
今回は現実のTシャツをネタにしたものをひとつふたつ。