本日2月10日は「観劇の日」。
1911年(明治44年)の今日、日本初の洋風劇場である帝国劇場(帝劇)が完成しました(東京都千代田区丸の内三丁目)。
主な演目はオペラや歌舞伎やシェイクスピア。今日に至るもそれは正に演劇の「王道」。
その対極にあったのがアングラ小劇場。
1990年.私は小劇場を駆けずり回っておりました。
小屋の器は小さいがやっている事はアナーキー&フリーキー。今日は「観劇の日」に因んで、「あの頃」が孕んでいた破壊衝動にも似た「熱気」をいくつかご紹介いたしましょう。まずは、
「友よ、プロレスよ!」
(劇団「真実の光」第5回公演)
1990年11月25日/SKスタジオ特設リング
京王新線初台駅北口斜め右30秒に位置する(していた)SKスタジオ。中に入るとドドンとリングが!
何…だと!? 同じ年、新間寿が立ちあげたユニバーサル・プロレスは自前のリングが持てず、全日本女子から借り受けていた(会場内では「リング購入のための」お布施箱が回っていた)というのに。
狭い会場にしつらえられた6m四方のリングはそれだけで空間を埋め尽くし、客席は申し訳程度。リングサイドというより「関係者席」(後楽園ホールのリングに東側「い」「ろ」「は」席だけを付けたという状況)。
そのリングにいたのは馬場と猪木。やがて「事件」が起きてクーデターの罪を背負わされた猪木は新団体設立へ。
猪木を売ったのは上田馬之助。因縁の決着戦となったリングは4万本の釘に囲まれていました。
大河ドラマやないかい!全席自由席2000円。儲けもクソもありません。
「ワハハの真冬の夜の夢
極楽てんやわんやカーニヴァル」
(WAHAHA本舗)
1991年1月15日/浅草花やしき
WAHAHAが花やしきを借り切って敷地内で同時多発居合斬りギャグ連打。
SM神輿が練り歩き、巨大なマ〇コを巨大なチ〇コが追いかける(黄金の玉を追う竜の成人指定バージョン)。ジェットコースターの線路を歩いて登場とかアウトしかない興行でした。乗り物無料券付きで4000円。
「笑い仮面」
(パラノイア百貨店+上海劇場)
1990年2月11日/下北沢ザ・スズナリ
楳図かずお先生の「笑い仮面」を舞台化。狭いステージで角材振り回し、チェンソーが唸りを上げ、クライマックスは書棚が崩れ落ちる中で火を放つという「誰に喧嘩売ってるんだ!?」な大暴れ。
全席自由で1800円!
★詳細レビューはこちら。
★映画館で二人芝居、なんてのもありました。
大人計画や大川興業の不謹慎さも捨てがたいですが、取りあえずこの辺で。