デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【胸を張れる自分を見せるんだ】僕の心のヤバイやつ ♯18【山田に…あいつに!】

僕は知っている。好きな人を想って泣く感情を。山田は…山田は…

壇上から直接。カーテン越しに間接。

卒業式は告白の日。

「僕の心のヤバイやつ/第18話(2期6話)/山田は僕が好き」(2024年2月10日深夜テレビ朝日放送/榎田敬宏演出)

卒業式リハーサル…になっても送辞担当未だ決まらず。担任に頼まれて「正式な人が決まるまで。リハのみ」の条件で引き受けた市川。

しかし、陰キャに送辞はToo Heavy。声出ず張れず響かず届かず。

これで担任も懲りて他を当たるだろう、と思っていたら山田が発声レクチャー@体育倉庫。

『はい、鳩尾(みぞおち)を意識して』

山田、そこは鳩尾じゃないぞ。下腹部だ。


『市川、こないだ私の仕事見に来てくれたでしょ? 私が頑張っているとこ見たでしょ?…私も…見たいんだよ』


熱い視線にドギマギしていたら倉庫の外で人の気配。何とナンパイ(山田大好き南条先輩)が女生徒から告られておりました。

が、『すげー好きな人いて』とその場で速攻お断り。

『山田さん?』

『うん』

イヤな奴だが本気。それは伝わって来た。

『やる!送辞!』

(胸を張れる自分を見せるんだ。山田に…あいつに!)


そんなこんなで式当日。お洒落美容院デビューを飾ったものの、一晩経ったら何か張り艶のなくなった市川の髪を(将来美容師希望の)吉田が(足立からワックスカツアゲして)手直し。途中リーゼントになりましたが山田が修正してなんとか落ち着きのある髪型に。

女子に髪をいぢられるというのは(「腰の上に乗られてマッサージ」に次ぐ)スキンシップランク最上位(今、勝手に決めました)。

和やかな雰囲気の中でひとり黄昏ている小林(ばやしこ)。理由は卒業式の後にやってくる「進級・クラス替え」

『離れちゃうかもしれないね…』

『大丈夫だ』

『分かるの?』

『いや(分からん…分からんけど…)信じるくらいいいだろ』

さて後は本番で原稿読むだけ。原稿はポケットに…入ってない!代わりに出てきたのはお洒落美容院デビューに備えて作った「美容師さんとの会話のフローチャート」。

助けてオビ・ワンお姉ちゃん。貴女だけが頼り。

『大丈夫、大丈夫。落ち着け~。お姉ちゃんが一瞬で届けてあげるから』

原付かっ飛ばすお姉ですが、学校までの道が分からなくなって立ち往生。その時、横に付けてきたのはタコ焼きバイトの「何か偉そうな新人くん」。


市川の中学は彼の母校。先導する背中の頼もしさよ(ホント、本作は「ちょっと嫌味な奴に見えても根は良い奴」ばかりで癒されます)。

様子がおかしい(挙動不審なのはいつものことですが)市川に山田は一言『大丈夫』。そして御守代わりに秋田けんたろうを。


姉の努力にも拘らず、無情のタイムアップ。原稿無しなんて無理絶対。所詮は陰キャの夢まぼろし。愚民がゴミに見えた幼少期は過ぎた過去。完全諦めモードで壇上に向かう市川を叱咤したのはイマジナリー市川(つまりもうひとりの自分)。

『勘違いするな。無能な陰キャを山田や先生が応援していると思うのか?あの頃のお前は本当のお前じゃないのか? そのキーホルダーを見つけたのは誰だ?忘れるなよ。お前のことを一番信用しているのは誰だ?先生か?姉貴か?山田か!? 違う! 俺だ。分かってんだろ。お前のことが一番好きなのは…俺だぞ!

自分を一番好きなのは自分。それは陰キャ宇宙の真理・箴言

『俺から目をそらすな!』


出だしは暗記している。リハとは別人のような張りのある声。問題は憶えていない中盤以降。なら今の気持ちを言葉に乗せて。

『それでも!結局1歩を踏み出すのは自分自身です。そんな単純な事に気づくのが怖くて、嫌で、でも…でも逃げ出さない。もう、光と出会ったから!


『だから、大丈夫。挑戦をやめないで、自分を好きになって、全ての出会いが宝物になりますように』

今回のキーワードは「大丈夫」。

大任果たして無事終了。(原作では真っ白に燃え尽きて)出迎えた担任の腕に倒れ込んで保健室直行。


山田がお見舞いに。そしてナンパイも。市川は山田に秋田けんたろうを返して『もう少し寝る』。

ナンパイはカーテン1枚隔てた保健室で告白(ドア1枚隔てた廊下にはナンパイの彼女さんと萌子)。

『好きだ…第2ボタン、受け取って欲しい』

山田の手の中には今返してもらった秋田けんたろうが。

『私…好きな人がいるんです!だからごめんなさい。手がふさがって…受け取れないんです』


滂沱の涙を流す山田。

僕は知っている。好きな人を想って泣く感情を。山田は…山田は…僕が好きなんだ…。

そう言えば、市川が『僕は…山田が好きなんだ』と気づいたのも保健室でしたね。

おまけ

ナンパイが保健室を出た直後に出てきた市川。目がぐるぐるしている。その一瞬後に出てきた山田の目は更にぐるぐる(完全にナルト状態)。そのまま左右に分かれていく二人。

何があった!?


『やったの? 数秒の間に?』(ナンパイの彼女さん)

真相は次回?

 

 

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