デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【捕虜にあって】姫様“拷問”の時間です #10【王女にないもの】

今日の拷問はビーチチャンバラ。ルールは簡単。頭に付けた紙風船を割られたら負け。

相手は魔王主催ビーチチャンバラ大会のタッグ部門優勝者、陰鬼・陽鬼。

負ける要素は何もなし! 自信満々な陰鬼・陽鬼に姫は『じゃあ、私が勝ったら?』

トーチャーの回答は『姫様が勝利した場合、どんな願いでも叶えましょう。たとえ“釈放”でも


釈放を賭けたビーチチャンバラ。2対1のハンデキャップマッチですが、所詮は社内レクリエーションの優勝者。国王軍第三騎士団騎士団長の敵ではなく、陰鬼瞬殺。

陽鬼のガトリング水鉄砲もマトリックスのように撃ち返して圧倒。


最後は魔王軍レギュラー総出。「野生の証明」ラストのような彼我兵力差となりましたが…。

戦い済んで日が暮れて。ひとり牢獄に戻った姫様は囚人服に着替えて足枷つけて冷たい床に横たわり。

外した王冠には潰れずに残っている風船が。

『あれ?…釈放は?』


エクスの疑問に寝息で応える姫様。

だってここには王国にはなかったものがあるから。

「姫様“拷問”の時間です/第10話」(2024年3月11日深夜TOKYO MX放送/浅井義之演出)

みたび登場、国王軍第一騎士団所属の“聖白(せいしろ)騎士”ルーシュ・ブリタン。

素顔は地味な中年男ですが、国王軍一の魔法の使い手。今日こそ囚われの姫を救出して…と決意も新たにしたところで

『貴様…何者だ!?』

気配もなく真後ろに立っていたのは…魔王。

声優さんのリリイベの帰りにルーシュを見つけ、迷子かと思って声を掛けたようです(優しいなぁ魔王)。

ビビッたルーシュですが、相手が魔族となれば黙って引くわけにもいきません。渾身の攻撃を繰り出しますが、蠅が止まったほどにも感じない魔王様。何と国王軍一の魔法の使い手と魔王の間にこれほどの実力差があろうとは。

攻撃の反動で足場が崩れがけ下に転落したルーシュを魔王が救助。

『何故助けた? 私は人間だぞ』

『クックックッ。だが同じ命だ。それに貴様が首元につけている飾り…アニメ「機動騎兵ウルクロス」主人公部隊のエンブレムであろう』

『なぜそれを!? 全体の服装に馴染んでいるから誰にもバレた事なかったのに!』

『クックックッ。ワシも持っている』


そしてキャラクターグッズ制作に際してのこだわりと注文をひとくさり。

アニメへのこだわりがとりもつ縁。人間も魔族も等しくオタク世界に生きる者。

お家で夕食の片付けをする魔王が上機嫌。

『なんだかパパ、ご機嫌だね』

『新しいお友達が出来たんですって』


一方、友達のいないバニラ・ペシュッツは城で独りトランプ遊び。誰かと一緒にやれたらもっと楽しいのに。友達? 高貴な私に友達など…でも、遊園地、楽しかったな。姫様…。

そうだ!姫様の拷問に使おう!

『そう!拷問だ。べつに一緒に遊びたいわけじゃない!』

が、しかし。トランプ遊びがしたいがために王国の秘密を話すのは流石のチョロイン姫様でも…。

『そ、そんな。トランプ楽しいぞ。とても楽しいぞ。(秘密は)ホントに簡単なのでいいから。今日の朝ごはんなんだった、とか』

『もしかして貴様、私と遊びたいのか?』


『私は誇り高き名家ペシュッツ家本家の娘!遊びたいなど浮ついた気持ち、あるわけがない!誇り高き私に友など不用!』

『…分かった。秘密を話そう。私も誇り高き騎士は友など必要としない、そう思って戦ってきた。けど…本当は…友達が欲しかった』

『!…わ、私もです』


共感と共鳴。嗚咽と祝福。

『さあ、秘密を話したぞ。遊ぼう!』

バニラ・ペシュッツ初めての拷問成功。そして初めての友達ゲット。

その報告を受けた魔王様は…

『クックックッ。友達出来て良かったね』

その襟元には「機動騎兵ソウルクロス」主人公部隊のエンブレムが。


いやあ何か魔王様のことがどんどん好きになって行くぞ。

 

 

 

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★本日3月14日はフレッド・ジンネマン監督(1907-1997)の命日。

代表作はこちら。

そしてその代表作のアンチテーゼとして作られたのがこちら。