本日3月20日は「LPレコードの日」。
1951年(昭和26年)の今日、日本初のLPレコードが日本コロムビア株式会社から「長時間レコード」の名前で発売されました。
LPレコードは直径12inch(30cm)。これを納めるジャケットは1辺31.5cm。
CDとの(視認できる)一番の違いはこのデカさ。存在感と迫力。
安い紙にプリントされたものを貧乏くさいプラケースに押し込んだCDとは風情が違います。
表(おもて)面のデザインだけで十分な威容を誇るLPジャケですが、裏面と繋げたり、内側全面を使った「見開き」は面積2倍の大迫力(31.5cm×63cm!)。
レコードという「存在」そのものを扱った映画やアニメは昨年の「レコードの日」(11月3日)にご紹介しているので、今回はLPならではの「見開きジャケット選手権」を。
まずは上のタイトル画像。
レッド・ツェッペリンの5thアルバム「聖なる館」(Houses of the Holy)。1973年3月28日発売。
アートワークはヒプノシス。撮影はアイルランドの世界遺産ジャイアンツ・コーズウェー。
モデルはサマンサとステファンのゲイツ姉弟。重ね焼きで2人を11人にまで増やしたそうで。
長い事イラストだと思っておりましたが、元は多重露光による正真正銘の写真だったんですね(写っているうちの約半数は男だというのが軽くショックだったというのは内緒です)。
いかにも良識派がイチャモンをつけそうな絵柄ですが、案の定、アメリカの検閲局から物言いが。結果、アメリカではバンド名とアルバムタイトルが書かれた帯を、子供達の尻を隠す目的で付ける事になりました。
さて、見開きの横長の画角でイメージするのは「パノラマ」「シネマスコープ」。左右に広がる視野はライブパフォーマンスを表現するのにピッタリです。
観客席から見上げたステージの臨場感を再現したのがKISSの「ALIVEⅡ」(1977年発売)。
開いた瞬間、上がりましたね、気分と期待と心拍数。
その高揚感を全く裏切らない、どころか全力で後押しする掟破りな編集の数々。
「盛り上がればいいだろ」な開き直りに全面降伏でした。
逆にステージから見渡した観客席をパノラミックに映し出したのがレインボーの「バビロンの城門(Long Live Rock ‘n’ roll)」(1978年発売)。
前作「オンステージ」でいきなりのライブ披露となった名曲「KILL THE KING」のスタジオ版収録。本作を以てロニーはレインボーを去ることになります。
現実ではないステージの模様を幻想的に描き出したのがブルー・オイスター・カルトのライヴ・アルバム「地獄の咆哮(On Your Feet or on Your Knees)」(1975年2月発売)。
見開きには神殿のようなアーチの下に立つメンバー5人。手にしているのは全員ギター。ドラムもキーボードも(多分ベースも)手放して全員ギター。
ブルー・オイスター・カルトのライブの見せ場「全員ギター(5 Guitars)」です。
最後に変化球をひとつ。エマーソン・レイク&パーマー(ELP)の「恐怖の頭脳改革(Brain Salad Surgery)」(1973年発売)。
正面画が中央から観音開きになって下から別の絵が現れると言うトリッキーな立体構成。
原画を描いたのは皆大好きH.R.ギーガーでした。
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